「高速の深夜割引」は何のため? “走った分だけ割引”への見直しは“誰得?”のワケ 「全部ヤメにすれば」と専門家
導入から20年以上が経過した高速道路の深夜割引制度。深夜の高速道路を物流に有効活用しようと始まった制度でしたが、結果的に「0時待ちトラック」などで渋滞が発生する事態に。これを良い形で解決する施策はあるのでしょうか。
交通容量と安全の問題の両方を最大化した「一番得する改善策」
なかなか難しい「高速道路の割引」制度ですが、島崎准教授には個人的な改善アイデアがあるといいます。
「高速道路の『時間帯割引』とかは全部ヤメにし『制限速度で走行+法令で定められた休憩を取った時間』ピッタリの走行時間(ICのイン・アウト)のクルマを最大の割引率にします。
それより速いクルマ(スピード違反をするなどと合わせて休憩していないクルマ)や、それより遅いクルマ(長時間待機や渋滞によって遅いクルマ。ただし事故渋滞などを除く)の割引率を段階的に下げていけば、全部解決するんじゃないかと思っています」(島崎准教授)
つまり、個々のドライバーに法令で決められた運転を促し、守れたドライバーに割引を適用する、というもの。皆が守れば確かに円滑に進み、交通安全の視点から見ても絶大な効果がありそうです。
「前述の<立場1>から考えれば、本来の目的は『深夜に走ってもらうこと』が最初にあったわけではなく、『交通量を分散させて渋滞しないようにする』ことだったはずです。仮にこの方法を実施した場合、渋滞にハマった場合は割引の対象外になりますから、どんなドライバーも、自ずと空いている時間を狙うようになるだろうし、そもそもあまり混雑しないような地方部の高速道路なら、日中でも割引を適用することができます。
また、高速道路上のPA・SAで長時間待機する人には割引が適用されなくなるわけですから、間接的に待機料金を負担してもらうカタチにもなります。そうすれば、『SA・PAが混雑していて入れない』といった問題も解消するかもしれません。
交通容量の問題と、安全の問題双方を最大化すれば、一番得するカタチだし、シンプルでわかりやすいと思います。この場合、机上の計算では厳密にはNEXCOの収入が下がるものなのですが、それでも安全かつ物流の安定を計る上では、良い策ではないでしょうか」(島崎准教授)
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。





コメント