アメリカ戦闘機の最新型「導入やめた」 インドネシアが破格の条件でも“ドタキャン”した2つの理由 「日本案」不採用にもつながる背景
インドネシアが計画していたボーイング製戦闘機の導入を中止しました。“ドタキャン”の背景には何があるのでしょうか。
「大きな進展はない」の数時間後に「キャンセル発表」
2025年2月3日、ボーイングはシンガポールエアショー(2月3~8日)の会場で、同社がアジア太平洋地域でビジネスチャンスがあると考えている製品とサービスに関する記者説明会を開催しました。シンガポールが導入を希望しているP-8A哨戒機などの製品や、訓練などのサービスに関するボーイングからの説明と、記者からの質問にボーイングの幹部が答える「Q&Aセッション」の2つのパートで構成されていました。
この場で記者から「インドネシアへのF-15EXの輸出には、その後進展はあったのですか?」という質問がなされた時、ボーイングの幹部が困った表情を浮かべて、慎重に言葉を選びながら「大きな進展はない」と答えていたことに対して、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は妙な違和感を覚えました。
この会見が行われたのは現地時間の13時でしたが、それから数時間後の夕方になって、ボーイングとインドネシア政府から、インドネシアのF-15EX戦闘機の導入計画が正式に中止になったことが発表されました。この発表を目にして、会見でのボーイングの幹部の困った表情にも、歯切れの悪い返答にも合点がいきました。
インドネシアは2023年にF-15EX 24機を購入する意向を示し、アメリカ政府もこれを承認していました。インドネシアは航空産業の育成を悲願としており、ボーイングはその起爆剤として、F-15EXの機体の85%程度をインドネシア国内での製造を認めるとも述べていました。単に戦力としただけでなく、国内の航空産業の成長にも寄与するF-15EXの導入をインドネシア政府が取りやめた理由は二つあると筆者は思います。
多すぎる?戦闘機の“コレクション”
その一つはインドネシア空軍の戦闘機戦力構成と財政状況にあります。
インドネシア空軍は2026年2月現在、アメリカ製のF-16を33機とロシア製のスホーイSu-27を5機、同じくロシア製のSu-30を11機、フランス製のダッソー・ラファールを3~4機、練習機としても使用できるイギリス製のホーク200を21機運用しています。ラファールの保有機数は3~4機ですが、総発注数は42機に達しており、さらなる追加調達も検討されています。
さらに、インドネシアは韓国の国産戦闘機KF-21「ボラメ」の開発にも参加しており、将来的にはKF-21をベースとする「IF-21」の戦力化も予定されています。
加えてインドネシアは今回、シンガポールエアショーの会場で、イタリアのレオナルドと練習機としても軽戦闘機としても使用できるM-346F「ブロック20」の導入にも合意しています。





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