「好きな時に、呼べば来る」理想のバスが増加中! でも客は増えないしコスト高 AIが何とかしてくれるワケがない!?
交通空白地の解消策として注目される「AIオンデマンド交通」が増えています。しかし、それでお客が増えて、運行コストも下がるかといえば、そうでもありません。AIは何をしてくれるのでしょうか。
そもそも「輸送コストを下げる」ものではない!
逆に、人口の多い都市部では、相乗りや道路の選択肢も多く、AIによる最適化は有効です。しかし、短時間で同時に多くの予約が入り乗降を繰り返す状態となり、運転手に過度な負担がかかるところには注意が必要です。AIによる最適は運転手=人にとって最適であるとは限りません。
このように、交通空白を解消するためにオンデマンド交通は有効な手段の一つです。しかし、ここに費用をかけてAIを活用した方がよいかは地域の状況によって異なります。
コミュニティバスからAIオンデマンド交通に転換して車両サイズが小さくなったとしても、必要な運転手の数は変わらないため、運行経費は大きく減少することはありません。むしろデマンドシステムの維持費や、予約時間が重複した際に増車するなどの対応をすると、運行経費が増大することもあります。両者を比較する場合は、全体の運行経費を見るのと同時に、一人当たりの輸送コストを把握することが重要です。
AIオンデマンド交通による「好きな時に、好きな場所に移動できる」という便利なサービスは、同じ場所まで乗り合って一人当たりの輸送コストを下げることとは矛盾します。AIオンデマンド交通を導入したら利用者が劇的に増え、地域の移動の課題が全て解決するというようなことはありません。
便利なものにはコストがかかることを認識し、最適化の効果が費用に見合うかをよく見極めて導入するようにしましょう。
Writer: 井原雄人(早稲田大学スマート社会技術融合研究機構研究院客員准教授)
大学における研究成果の社会実装を目的に、電動バスや燃料電池車両の開発から、各地の地方自治体でそれらを活用した地域公共交通の計画策定や、地域が主体となったコミュニティ交通導入を実施。





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