花の都・パリの地下にある「世界最強級にクサい博物館」なぜ? でも観光客が殺到…その納得の理由とは
華やかな観光都市パリの地下には、稼働中の下水道空間を活用した「下水道博物館」があります。2021年にリニューアルオープンした施設は、鼻をつく臭気もリアルな、パリの巨大インフラを体感できる教育施設です。
かつて“最先端技術”だった下水道は観光名所だった
臭い下水道をわざわざ見に行くというのは、一見すると物好きの風変わりな行為のようにも思えます。しかしパリの下水道の成り立ちの歴史を振り返ると、単なる奇をてらったツアーリズムでないことが分かります。
パリの近代下水道網が本格的に整備されたのは19世紀半ばで、第二帝政期の都市改造で知られるオスマンによるパリ大改造の時代でした。当時のパリにとって、巨大な地下トンネル網を張り巡らせて都市の汚水と雨水を処理する仕組みは、まさに最先端技術そのものでした。つまり、パリの下水道は整備された当時から、その存在が珍しく、人々の注目を集めていたのです。
実際、19世紀後半には下水道の一般向け見学が行われており、小舟や専用の小型トロッコで地下を巡るツアーが組まれ、人気の観光名物となっていたそうです。
ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』にも描かれたように、パリの下水道は都市そのものを象徴する存在でもありました。
その歴史的価値と教育的意義を後世に伝えるため、1975年に正式な博物館として整備され、現在では都市衛生、治水、環境教育を担う施設へと進化しています。つまりここは、珍スポットではなく、近代都市文明の成立を伝える“地下の技術博物館”なのです。





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