謎の「国道情報連絡所」 標識が示す先は民家? その役割とは

「連絡所」にも基準があった

――「国道情報連絡所」とはどのような存在なのでしょうか。

 たとえば悪天候や、路面冠水、倒木、落下物といった道路の異常について、道路管理者に連絡したり、あるいは管理者が現地に赴いた際に情報を提供する役割があります。1968(昭和43)年から始まった制度で、一般の人に連絡所としての役割を委託するものです。

――制度が生まれた背景は。

 情報伝達手段が未発達だった当時は、管内における道路の異常を広く把握するのは困難だったので、その情報収集のために設けられました。連絡所の受託者にも一応の基準があり、たとえばタクシーやバスの運転手など、その道路を頻繁に行き来するような人が選ばれたようです。

――道路管理者のための制度だったのですね。では「国道情報連絡所」の標識は何のために設置されているのでしょうか。

 管理者が現地に赴いた際に、連絡所の位置がすぐわかるようにするためです。いわゆる「標識令」に基づく道路標識ではありませんが、国として必要なものということで特例的に、連絡所の受託者に了解を得たうえで設置しています

――現在も活用されているのでしょうか。

 カメラや情報伝達手段が発達したこともあり、現状としては活用されていませんが、制度としては残っています。

※ ※ ※

 インターネットも携帯電話もない時代に、道路管理を円滑に進めるために生まれた制度であることがわかりました。東京では活用されていないようですが、そこには、国が市民とともに道を守っていく姿がありました。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 確かにカメラやあらゆる通信網が整備された現在では殆ど機能せずに制度ダケが残っているようですが、実際には「現地の状況は如何でしょうか?」のフレーズ通りに、現地に居る方に実情を直接聞く場面も多々ありますよね??? 今でもお役御免ではなく、キッチリと重要な役割がある筈だと思えるのですが・・・経費削減の折、実態は知り得ませんがあくまでも無償(ボランティア)として現場の声を直接伝える各拠点として見直し・活用すべきではないでしょうか?

  2. てっきり、道路情報を知ることのできる施設だと思ってた。。。
    確かに今はネットや電話で知ることができるから、必要ないかもしれないけど、あの看板を見ると今でもちょっと好奇心が沸いてくる。