100km/hでもミリ単位を「検知」 高速道路のドクター、その名は「ロードタイガー」

NEXCO中日本グループが路面状態の測定に用いる車両「ロードタイガー」は、異常をミリ単位で見つけるまさに道路の「ドクター」です。

「世界でも類を見ない」性能

 高速道路の路面は定期的に、凹凸やひび割れなどがないかチェックされています。かつて車線規制をしつつ人力で行っていたこの作業、現在は専用の車両「路面測定車」が導入されており、作業効率も格段に跳ね上がりました。最新型ともなると、最高100km/hで走行しつつ、路面におけるミリ単位のひび割れすら見逃さないといいます。

 その名は「ロードタイガー(Road Tiger)」、NEXCO中日本のグループ会社、中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京が所有する、値段にしておよそ3億3000万円という特別なクルマです。

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路面測定車「ロードタイガー」(2017年1月25日、中島洋平撮影)。

「ロードタイガー」はその前面に、道路面に照射するレーザー投光器とカメラ、後ろにも道路面を照らすハイドロランプとカメラを備えます。これらを駆使し、路面の車両走行跡に沿ってできるくぼみ(わだち掘れ)、進行方向に対して水平面の凹凸(平坦性)、そして路面のひび割れという、道路保全において重要とされる3要素をおもに計測します。

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車両前面に張り出した部分から路面に向かってレーザーを照射、くぼみがある場所での光線のずれで「わだち掘れ」を測定する(2017年1月25日、中島洋平撮影)。

 中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京の來島さんは「ロードタイガー」について、「最高100㎞/hまでの任意の速度で、『わだち掘れ』『ひび割れ』『平坦性』の3要素を同時測定できるだけでなく、道路の縦断面、横断面を立体的に計測する『縦横断計測』も可能であることが、世界でも類を見ない」といいます。

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