クルマの「♪キンコン」いつ消えた? 速度警告音が聞こえなくなったワケ

かつてのクルマは、高速走行時に「♪キンコン♪キンコン」と警報音が鳴りましたが、それはいつ、どうして鳴らなくなってしまったのでしょうか。

「カローラ」ではいつから鳴らなくなった?

 記者が子供のころに乗っていた家のクルマでは、高速道路を走っているときに「♪キンコン♪キンコン」というチャイムのような警報音が鳴っていました。しかし、クルマを買い替えるにつれ、この音はいつの間にか聞こえなくなりました。

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かつての普通自動車では、100km/hを超えると速度警報音が鳴っていたという。写真はイメージ(画像:blueone/123RF)。

 この速度警報音、いつから鳴らなくなったのでしょうか。40年以上の歴史をもつトヨタ「カローラ」でその変遷をたどるべく、トヨタ広報部に聞いてみました。

――昔の「カローラ」は「♪キンコン♪キンコン」という音が鳴っていたのでしょうか。

 はい。カローラのような普通自動車では速度が100km/h以上、軽自動車は80km/h以上になると警報音が鳴るように設定されていました。

――いつから鳴らなくなったのでしょうか?

 法規制が撤廃されたことを受け、1987(昭和62)年5月に発売した6代目「カローラ」から廃止しました。ただしこのときはオプションで設定できるようにしました。

――なぜなくなったのでしょうか?

 上記の法規制撤廃が理由ですが、輸入車メーカーからの反対と、警告音が眠気を誘導する可能性があることから、安全対策上の観点からも撤廃されたと聞いています。

※ ※ ※

 当時の輸入車メーカーが反対した裏には何があったのでしょうか。業界団体である日本自動車輸入組合によると、この速度警告音は日本独自の装備であるとして、日米自動車協議の場でアメリカ政府から日本に対して撤廃が求められたそうです。同協会は「その裏に米自動車メーカーの意向があることは明白」と話します。

 なお、自動車検査場での検査を手掛ける自動車技術総合機構によると、かつて速度警告音を発する装置は保安基準第46条第2項「速度警報装置の装備要件及び性能要件」において装備が義務づけられており、車検においても、速度メーターの誤差や振れ具合のチェックとともに、音が鳴ることを確認していたそうです。

 ところが、1986(昭和61)年3月に、この第46条第2項は項目そのものが削除されたといいます。自動車技術総合機構によると「速度警告音のように保安基準上から項目そのものが撤廃される例は珍しいかもしれない」とのことです。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 外圧がなきゃ変わらんのね。
    という感想が。
    交通とは離れるけど、パパブッシュがもう1期大統領だったら、市街化調整区域とかのろくでもない規制を撤廃する圧力がかけられたらしい。
    これは誠に残念だった。

  2. 今回も警音器の音量の法規制が大幅に変わりました。それも外圧でしたね。
    欧州車の音量が小さいものだからそれに合わせたものに去年から変わりました。
    結局日本の国内事情に合わせた法律も。非関税障壁だと圧力をかけられた国交省が外務省に負けた格好ですね。そこには国民の安全より国際取引のほうが大事だという外務省の非国民性が出ている。
    だからいまだ韓国と縁を切れないでいる。仕方はないと思います、結構なな人数の帰化韓国人が外務省には入り込んでいますから。慰安婦も、尖閣も、竹島も全部後手後手にまわっている。情けない省ですから。

  3. 兎角日本はお上が出しゃばりすぎる。信号機にしても不要なところにも設置しまくり却って渋滞・事故を誘発している。海外は元より国内でも勇気ある自治体が"余計な"信号を撤去して事故が減少している。ま、「交通安全」を錦の御旗にして業者との癒着もあるだろうが、どうせ癒着するにしてももっと根本的な道路拡幅や電柱撤去+電線等の埋設化の方が"お上としての旨み"も大きい上、真の交通安全に繋がり住民にも喜ばれる"三方良し"なのでは? あ、土建会社も喜ぶ四方良しか…

  4. コーナー3つで失神しないようにだろ?jk