新名神、中部縦貫道、京奈和道…近畿・福井エリアの道路、開通予定は? 2017年度の事業概要(画像14枚)
2017年度、近畿・福井エリアではどのような道路がつくられるのでしょうか。現在工事が進んでいる、あるいは計画されている国のおもな道路事業を取りまとめました。
新名神の一部が2017年4月に開通 高槻以西も今年度中?
2017年度の、国の道路整備事業はどのような内容が進んでいる、あるいは予定されているのでしょうか。国土交通省近畿地方整備局が2017年3月31日に発表した資料に基づく、そのおもなものは以下のとおり。ここでは、同地方整備局が行っている福井県の道路事業についても取り上げます。
なお、未開通区間のIC名、JCT名などは仮称で、原則として事業中の区間のみ記載しています。一部、NEXCO西日本、阪神高速道路の資料などに基づいて記述する箇所もあります。また、記事中の画像は特記以外、国土交通省近畿地方整備局の資料より引用したものです。
新名神高速(三重県四日市市~兵庫県神戸市)
本線約150kmのうち四日市JCT~新四日市JCT間の4.4kmと、亀山西JCT~大津JCT間の42kmが開通済みです(東名阪道に連絡する亀山JCT~亀山西JCT間、名神高速に連絡する大津JCT~草津JCT間は支線)。ここではNEXCO西日本が建設を進める滋賀県以西の区間を記載します。
・大津JCT~城陽JCT・IC間(25.1km):2023年度開通予定。
・城陽JCT・IC~八幡京田辺JCT・IC間(3.5km):2017年4月30日(日)開通。
・八幡京田辺JCT・IC~高槻第一JCT間(10.7km):2023年度開通予定。
・高槻第一JCT~神戸JCT間(40.5km):2018年度開通予定。NEXCO西日本は努力目標として、高槻第一JCT~川西IC間の2017年秋ごろ、川西IC~神戸JCT間の2017年度末開通を掲げている。
ほか、新名神高速と名神高速を連絡する高槻第一JCT~高槻第二JCT間(高槻連絡路、2.5km)が、2018年度(NEXCO西日本の努力目標としては2017年秋ごろ)開通予定です。
阪神高速2号淀川左岸線(大阪市此花区~同・北区)
阪神高速5号湾岸線の北港JCTから北東へ分岐し、3号神戸線、新御堂筋(国道423号)を連絡する道路です。北港JCTから3号神戸線と交わる海老江JCTまでのI期区間5.6kmが完成しています。
・海老江JCT~豊崎JCT間(4.4km):II期区間として工事中。2020年度開通予定。
淀川左岸線延伸部(大阪市北区~大阪府門真市)
淀川左岸線II期区間からさらに延伸し、近畿道と第二京阪道が接続する門真JCTに至る区間です。阪神高速とNEXCO西日本の共同で、2017年度から事業に着手されます。
・豊崎IC~門真西JCT間(8.7km):調査設計を推進。
阪神高速6号大和川線(大阪府堺市~同・松原市)
大和川の南岸を東西方向に延びる9.7kmの道路で、湾岸線の三宝JCTと、14号松原線の三宅JCTとを連絡します。三宝JCTから鉄砲出入口までの2.6kmと、三宅西出入口から三宅JCTまでの200mほどが開通しています。近畿道の一部、淀川左岸線、湾岸線の一部などとともに、「大阪都市再生環状道路」のひとつに位置付けられています。
・鉄砲出入口~三宅西出入口間(6.9km):トンネルなどを工事中。
京奈和道(京都市~和歌山市)
京都、奈良、和歌山を縦断する約120kmの道路です。うち、京都府内の城陽JCT~木津IC間17.0km、奈良県内の郡山下ツ道JCT~橿原北IC間9.4km、橿原高田IC~御所南(ごせみなみ)IC間6.2km、奈良県から和歌山県にまたがる五條北IC~和歌山JCT間48.3kmが開通しています。
・奈良IC~郡山下ツ道JCT間(6.3km):事業中。
・橿原北IC~橿原高田IC(4.4km):事業中。
・御所南IC~五條北IC間(7.2km):2017年度開通予定。
北近畿豊岡道(兵庫県丹波市~同・豊岡市)
舞鶴若狭道 春日JCTと、建設予定の山陰近畿道(鳥取豊岡宮津道) 豊岡JCTとを連絡する延長約70kmの道路です。春日JCT~日高神鍋高原IC間59.8kmが開通済みです。
・日高神鍋高原IC~豊岡南IC間(日高豊岡南道路、6.1km):事業中。2017年度は用地買収と工事を推進。
・豊岡南IC~豊岡IC間(豊岡道路、2.0km):事業中。
山陰近畿道(鳥取豊岡宮津道、京都府宮津市~鳥取市)
京都縦貫道の宮津天橋立ICから日本海側を通り、鳥取道に連絡する約120kmの道路です。うち、京都府内の宮津天橋立IC~京丹後大宮IC間10.7km、兵庫県内の佐津IC~余部IC間11.5km、兵庫・鳥取県境部の居組IC~東浜IC間3.5km、鳥取県内の浦富IC~福部IC間8.5kmが開通しています。
・京丹後大宮IC~大宮峰山IC間(大宮峰山道路、5.0km):事業中。
・余部IC~浜坂IC間(浜坂道路、9.8km):2017年度開通予定。
・東浜IC~浦富IC間(岩美道路、3.8km):事業中。
播磨道(兵庫県たつの市~兵庫県宍粟市)
山陽道と中国道を連絡する南北24.2kmの道路で、山陽道に接続する播磨JCTから播磨新宮ICまでの12.8kmが開通済です。
・播磨新宮IC~山崎JCT間(11.4km):2021年3月開通予定。
中部縦貫道 永平寺大野道路(福井県福井市、大野市)
中部縦貫道(長野県松本市~福井県福井市)のうち、北陸道の福井北JCTから東の大野ICとのあいだ26.4kmの区間です。福井北JCT~永平寺IC間5.4km、上志比IC~大野IC間15.7kmは開通済みです。
・永平寺IC~上志比IC間(5.3km):軟弱地質帯の対策や改良などを進め、2017年夏前までの開通を目指す。
中部縦貫道 大野油坂道路(福井県大野市)
中部縦貫道のうち、永平寺大野道路と油坂峠道路(大野市、岐阜県郡上市)に接続する大野市内の約35km区間です。
・大野~大野東IC間(約5.5km):事業中。
・大野東IC~和泉IC間(約14km):事業中。2017年度は橋梁工事などを推進。
・和泉IC~油坂出入口間(約15.5km):事業中。
国道42号 すさみ串本道路(和歌山県すさみ町~同・串本町)
紀勢道 すさみ南ICと串本ICとのあいだ19.2kmを結ぶ道路です。海沿いを走る国道42号の代替として、防災力の強化などを目的としています。
・すさみ南IC~串本IC間(約19.2km):事業中。
国道42号 新宮紀宝道路(和歌山県新宮市~三重県紀宝町)
和歌山・三重県境の熊野川河口部をまたぐ2.4kmの道路です。紀勢道やすさみ串本道路などともに紀伊半島の海沿いを通る自動車専用道の一部を構成します。
・新宮北IC~紀宝IC間(2.4km):事業中。
主要なバイパスなどの開通予定
このほか、主要なバイパスなどの開通予定は、以下の通りです。
・国道8号 野洲栗東バイパス(滋賀県野洲市、栗東市):並行区間の交通混雑緩和などを目的とした4.7kmのバイパス。2017年3月に着工。
・国道309号 河南赤阪バイパス(大阪府河南町、千早赤阪村):2.6kmのうちI期区間0.8kmが開通済み。2017年度にはII期区間0.7kmが開通する予定。
・国道175号 西脇北バイパス(兵庫県西脇市):西脇市内を南北に通る5.2kmのバイパス。中国道 滝野社ICと北近畿豊岡道 氷上ICを結ぶ東播丹波連絡道路(約30km)の一部にも位置付けられている。
・国道27号 西舞鶴道路(京都府舞鶴市):国道27号のうち、JR西舞鶴駅付近の市街地における交通混雑緩和などを目的とした4.9kmのバイパス。現在の国道27号から伊佐津川をはさんで反対側に建設される。
・国道8号 福井バイパス(福井県あわら市~同・越前市):42.2kmのうち36.8kmは完成済。あわら市から坂井市にかけての5.4km区間について、2018年9月から始まる福井国体までの開通を目指し、工事が進められている。
・国道370号 美里バイパス(和歌山県紀美野町):海南市と高野山方面とを結ぶ国道370号バイパスの一部。4.1kmのうち2.9kmが開通済みで、残り区間が2017年度中に開通。
・国道168号 五條新宮道路 辻堂バイパス(奈良県五條市):奈良県五條市と和歌山県新宮市を結ぶ国道168号 五條新宮道路の一部となる4.1kmの区間で、うち2.8kmは2016年3月に開通済。2017年度中の全線開通が予定されている。
・国道168号 五條新宮道路 相賀(おうが)高田工区(和歌山県新宮市):国道168号 五條新宮道路の一部となる4.8kmの区間で、2017年度に事業着手。蛇行する熊野川に沿っていた現道の山側に、新たな道路を通し、緊急輸送道路としての機能強化などが図られる。
なお、2017年度の近畿地方整備局における予算配分額は総額約9732億円で、うち約1657億円が道路関係予算として投入される予定です。
【了】
速く開通してくれ