検定で合格しても「事故が減らない」 高齢ドライバーの処遇見直しへ 同じ内容でも差が出るナゾ 警察庁

免許更新時に75歳以上となる高齢運転者のうち、信号無視など11類型の違反歴がある場合の追跡調査の結果が発表されました。違反歴のある75歳以上の運転者では、そうでない場合と比較して大きな差がみられることがわかりました。8月中に有識者検討会は見解を示します。

検査も講習も内容は違わないのだが…

 実は、実車指導講習と運転技能検査の内容は同じです。いずれも教習所などの市街地コースで課題を与えられて運転します。指示速度による走行、指定場所での一時停止実行、右左折の方法、交差点での信号による通過、段差を乗り越えての停止などが課題です。

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警察庁(中島みなみ撮影)

 両者の違いは、その目的にあります。講習の場合は受講後に指導員から講評を得るだけですが、技能検査の場合は100点満点で採点され第一種免許では70点以上、第二種免許では80点以上で合格しなければ免許は交付されません。

 ただ、通常の運転免許試験のケースと同様、技能検査に受検回数制限はありません。一方、実車指導講習ですむ運転者は、過去3年以内に対象となる違反歴がなければ、講習でミスがあっても免許保持には影響しません。

 両者を単純比較すると、検査に合格しているのに交通事故や交通違反に違いが出るのはなぜか、という疑問が生じます。検査に合格し、交通事故を起こした81人の追跡調査では、その約半数41人が満点合格者でした。

 警察庁運転免許課は、有識者による検討会の狙いを、「運転技能検査の合格者の追跡調査の結果等を踏まえ、運転技能検査の内容の充実に係る方向性等について、幅広い観点から検討する」と定めています。高齢運転者の評価が変わりつつあります。

検討会の構成は以下の通りです。

(有識者委員)

有馬 洋一=兵庫県指定自動車教習所協会会長

岩貞 るみこ=モータージャーナリスト

扇澤 昭宏 =(一社)全日本指定自動車教習所協会連合会専務理事

河内 勝良=(株)武蔵境自動車教習所副管理者

櫛田 浩哉=(株)中勢自動車学校会長

町田 新一郎=埼玉県指定自動車教習所協会顧問

松浦 常夫=実践女子大学名誉教授

蓮花 一己=帝塚山大学名誉教授

(警察庁)

交通局運転免許課長

交通局運転免許課高齢運転者等支援室長

【やっぱり!】これが「高齢者で一番多い事故」の内容です!(画像で見る)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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