山手線の新型が優秀車両に 「ハード・ソフト両面で新基軸」2017年ローレル賞
「鉄道友の会」が選ぶ2017年「ローレル賞」に、山手線の新型車両であるJR東日本のE235系電車が選ばれました。
2017年5月から量産車が山手線で営業運転開始
2017年5月24日(水)、「鉄道友の会」が「ブルーリボン賞」と「ローレル賞」を発表。2017年の「ローレル賞」には、えちごトキめき鉄道ET122系1000番代、静岡鉄道A3000形とともに、JR東日本のE235系電車が選ばれました。
E235系電車は、現在、首都圏で通勤形車両として使われているE231系やE233系に、これまでの技術開発成果を取り入れて新規に開発された車両です。最初の導入線区に山手線が選ばれ、2015年11月に量産先行車1編成が営業運転を開始。その後、ソフトウェアの改修などが施され、2016年3月から復帰しています。
量産車は2017年5月から営業運転を始めており、2020年春ごろまでに量産先行車とあわせて計50編成(550両)が導入される計画です。
車体は軽量ステンレス構体。黄緑色のラインカラーは従来の横帯ではなく、ホームドアがあっても山手線だと認識しやすいようにドア部分のみに付けられています。
列車情報管理制御装置「INTEROS」を導入
車両制御システムは、新開発の列車情報管理制御装置「INTEROS」を導入。通信速度が従来装置の10倍に向上し、大容量のデータを扱うことが可能に。さらにWiMAXによるデータ通信を利用して、車両のさまざまな機器のモニタリングデータを地上側へリアルタイムに送信して、状況把握などに活用できるようになっています。
車内は1両あたり最大36画面のデジタルサイネージを搭載。また、フリースペースを各車両1か所ずつ設置しています。
「鉄道友の会」は「E235系は同社の新たな標準車両として位置づけられ、安全・安定輸送を前提に新機軸をハード・ソフト両面で取り入れた車両」であるとし、「今後の首都圏の快適な輸送サービスを担う存在として高く評価されることから、ローレル賞に選定しました」としています。
「ブルーリボン賞」「ローレル賞」は、「鉄道友の会」が毎年1回、前年に日本国内で営業運転を始めた鉄道車両のなかから選定する賞です。同会会員の投票結果をもとに、選考委員会が利便性や快適性、環境対応、新技術の有効活用といった観点から車両を評価。「最優秀」と認められた車両には「ブルーリボン賞」が、「優秀」と認められた車両には「ローレル賞」がそれぞれ贈られます。なお、今年の選考委員は10人、候補車両は13形式でした。
【了】
コメント