道路舗装でクールダウン? 対ヒートアイランド特殊舗装、渋谷スクランブル交差点にも

降雨後、効果が持続するのは3日間

――主にどのようなところへ舗装されるのでしょうか?

 一般的な車道や歩道を始め、駐車場、広場、園路などのあらゆる路面です。

――これまでの舗装実績はどれぐらいでしょうか?

 保水性舗装は、遮熱性舗装より歴史が古く、1999(平成11)年度には開始されています。2016年の施工面積は4万3885平方メートル(編集部注:東京ドームおよそひとつぶん)で、施工件数は34件となっています。これまでの累計面積は約98万8371平方メートル(編集部注:東京ドームおよそ21個ぶん)で、施工件数は637件です。

――一般的な舗装技術と比べた際の、メリットとデメリットを教えてください。

 メリットは、路面温度の上昇を抑制できることです。しかし、舗装内に水分を含ませることで温度の上昇を抑制するため、晴天が続く日には水をまかなければなりません。水まきなしでも効果が持続するのは降雨後3日程度です。施工費も一般のアスファルト舗装と比べて、約4倍かかります。

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保水材を注入したあとの路面(画像:世紀東急工業)。

――保水性舗装はどのような道路に適しているのでしょうか?

 温度の上昇を抑制するために水をまかなければならいこともあり、住宅街や商店街などに適しているかもしれません。

※ ※ ※

 なお再舗装が必要となる期間は、遮熱性舗装と保水性舗装ともに「一概に何年とは言い切れない」とのことですが、遮熱性舗装は目安として「車の交通や周りの環境によって、塗料の磨耗や汚れが生じた時」、保水性舗装は「経年で、必要なすきまがごみで詰まるなどの影響を受けた時」だといいます。ちなみに一般的な舗装は、約10年で再舗装されるとのことです。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 大した技術だ!水の溜まらないアスファルトなんぞは短い区間でも助かるし、こう言うのを技術の進化と言うのだろうね、

  2. 何をどう考えても費用対効果が見えない。アスファルトも特殊なものを使う必要があるし、その後の特殊処理にも時間がかかる(工期も施工時間もかかる)。まして耐久性が飛躍的に増す訳でもあるまい。まあ、それでも歩道でよく使われているインターロック(ようはタイル舗装)よりは施工性(地面をならして、土を固めて、場合によってはコンクリート流して、砂を敷いて、インターロック加工して・・・呆れるほど手間暇かかります)、施工中の安全性(施工時間外の養生もいい加減な仮養生だけです)、施工期間、耐久性(下手すれば半年もしないうちに致命的な段差が出来る)などはマシだが。実際以前別府駅前では一時的に大型バスも通る車道をインターロック舗装としたが、数年で普通のアスファルト舗装に戻したくらいだから。

  3. オリンピックのマラソンコースは、この舗装にしておかないとやばいかも。

  4. こう言う事に力を入れるなら梅田、横浜駅、名古屋駅、川崎駅、札幌〜大通駅見たいに地下街を重視した方がエコになる。
    渋谷は地下深く掘ってる癖に地下の移動範囲が狭すぎる。
    上記の駅や池袋、東京駅、静岡駅、姫路駅、京都駅あたりは地下街を充実させて地上に歩行者を通さないようにしている。
    ペストリアンデッキは無駄だから地下で極力移動できる街こそ都市には必要だと思います。
    そうなると渋谷駅は仙台駅並みになる。