旅客機、実はバック可能? できるのにしない理由とは
逆噴射、軍用機の場合
軍用機ではどうでしょうか。たとえば航空自衛隊の輸送機C-1やC-2、救難捜索機のU-125Aなど比較的大型の機体には逆噴射装置が搭載されています。他方、ジェットエンジンを積んだ戦闘機などには、イギリス空軍などに採用されたトーネードIDSやスウェーデン空軍のサーブ37「ビゲン」など一部例外はあるものの、基本的には重量が増加するため逆噴射装置は付いていません。戦闘機の制動には、主にパラシュート状の「ドラッグシュート」や「エアブレーキ」を使用します。
民間機では失速の恐れがあるため通常、飛行中は逆噴射装置を作動させませんが、ボーイング社の輸送機C-17は減速のために作動させることが可能で、エンジンには強力な逆噴射装置を備えています。アメリアのエアショーでは着陸後に急制動を行い、さらに機体をバックさせるデモンストレーションを行っており、戦術輸送の技術の高さを披露しています。
茨城空港などの離発着の少ない地方空港では、プッシュバックを行わずに自走で駐機を行う空港もあります。自走式を採用する事によって、航空機の誘導に関わるコスト削減と乗客の搭乗時間の短縮などが可能になっています。ですが、多くの航空機が離発着する大型の国際空港では、安全や効率の観点からトーイング方式がまだまだ主流を占めそうです。
【了】
Writer: 石津祐介(ライター/写真家)
専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。
飛行中に逆噴射作動させると失速のおそれありって、実際墜落事故あったでしょう。羽田沖で。着陸中に機長が逆噴射装置作動させて。ちなみに、余談ですが空母の着艦の場合は機体の制動用フックを空母の制動用ワイヤーにひっかけてむりやり停止させます。
あの羽田沖の逆噴射機はDC9?8?か忘れたけどジャンボと同じ4発エンジンでしたかね?機長!何するんですか!?先程はお見事、こんな機長と福操縦士のやり取り、機長の精神分析など、当時の機長の奥さんへの取材攻撃に、おまいらこそ精神病んどるんと違うんか?と思ったものでした、しかし安全の為の装備は凶器と紙一重だと熟思い知らされますよ、
昔は飛行中でも逆噴射を使う飛行機があったんですよ。
羽田沖に墜落した飛行機もそのタイプで、確か外側のエンジン2つを飛行中に逆噴射させて減速させてました。
有名な事故だと、ラウダ航空の767-330ERですかね。
あのニキ・ラウダが、パイロットの行動は正しかったと、すごい名誉を守っていたのが印象に残る事故でした。
ボーイング社が、当初シミュレーターで墜落回避は可能だったと発表した後、ニキ・ラウダ本人がそのシミュレーターで一度も回復できず、シミュレーターで回復出来たパイロットの飛行機で同じことをやって見せろ、もちろんニキ・ラウダも同乗する、みたいなことがあって、ボーイング社が訂正したような経緯だったかと。
さすが大事故からの生還者。
話の流れでは逆噴射は視界や出力調整が難しいし燃費かさむのでトーイングバックが経済的といいつつ、プッシュバックを行わずに自走で駐機を行う空港の茨城空港は(自走=逆噴射使うので)低コストって変に読めてしまいます。
実際には、茨城空港の場合はプッシュバックが不要な構造で運用する設計で、乗客を駐機場で乗降させることで、ボーディングブリッジとトーイングカーの組み合わせよりコスト負担を低くした。自走で駐機ってのは、駐機場で旋回することで逆噴射なしの自走で滑走路に戻れる方式ですね。関空なかんでも試行しているようですが。
「「プロペラを逆回転」させたりして推進力を逆向きにしバックする 」この記述は間違ってます。
プロペラを逆回転させるのではなく、プロペラブレードの角度を変えることで推力を減らすあるいは逆方向に向ける構造になっています。つまりエンジン、プロペラの回転方向は常に不変で車のようなリバースギアなんて変速装置は付いていません。そもそも回転しているものを瞬時に逆回転させることは物理的に不可能です。
『プロペラのピッチ(翼角)をリバース(マイナスピッチ)にして推進力を逆向きにし』と改めるべきです。
その通り!
私も記事を読んで「プロペラの逆回転」っていうのを見て、
よく航空写真家って名乗るなぁと思いましたわ。
アメリカだとDC-9とかが普通にやってるけどね。
DC9がやると言うかできる理由はエンジンが上の方に付いていて巻き上げた異物を吸い込む恐れが低いからです。
パワーバックしない理由は経済的とかまわりの影響もあるかもやけど、低速で逆噴射する事で乱れた気流をエンジンが吸入することによるリ・インジェッションストールも危険だからです。最悪の場合エンジンがお釈迦になるから。
もし停止状態で逆噴射をしてしまうと、前方に細かい砂や石などの異物FOD (Foreign Object Debris)が巻き上げられてしまいます。
これらのFODをジェットエンジン自体が吸い込んだ場合、内部のブレードを破損するリスクが高まります。これもパワーバックを行わない理由の一つです。
ちなみに、着陸した後も停止するまで本当は逆噴射を使いたいところですが、燃料セーブや上記理由で使いません。緊急時や雪氷滑走路等では十分に減速するまで使うこともあります。
エアフロリダか…。アンチアイス、オフ!
プロペラ推進機のプロペラの回転方向は一緒です。取り付け角度を変更するのです。英語で「リバース ピッチ」と呼ばれるのはそのためです。
ヘルシンキ空港でプロペラ機がプロペラピッチを反転させて自力後退してスポットアウトしたのにはびっくりしました。
今から30年ほど前ですか、シカゴとかダラスの飛行場で機種は忘れましたがジェット旅客機が自分でバックするのを見たし自分の乗っていたジェット機も自分でバックしたのを経験しました。追記ですが自分でバックするとジェットの場合自分で巻き上げた異物をエンジンの中の吸い込む危険性があるのでやめたということを聞いたことがあります。
旅客機が逆噴射でバックしない理由は、ブレーキをかけるとしりもちをつくからです。