事故統計から見る「オスプレイ」 欠陥機論は事実か否か?
「オスプレイ」にまつわる重大事故、その中身
一方でアメリカ海兵隊は「オスプレイ」の事故発生件数を公表しており、事実としてMV-22B「オスプレイ」の事故件数は近年若干の増加傾向にあることが明らかになっています。大破または200万ドル(2億3000万円)以上の損害、死亡・永続的な全身不随の発生を意味する「クラスA事故」の統計は、開発初期の連続事故発生による飛行停止処分が解除された2003(平成15)年から2017年8月末までに、30万3207飛行時間で11件の発生が報告されています(アメリカ海軍・海兵隊報告による。2017年9月29日の墜落は含まれていない)。そして10万飛行時間あたりのクラスA事故発生件数は最新の数値で3.64件であり、これは海兵隊機の平均よりも高い数字です。
海兵隊のMV-22Bオスプレイにおいて発生したクラスA事故の主要因を見てみましょう。
・2006年03月27日 エンジン始動時に急激な出力増加が発生し意図せぬ浮揚と不時着
・2007年12月06日 エンジン火災による損傷
・2011年07月07日 機体からの転落死
・2012年04月11日 禁止操作を行ったことによる墜落
・2013年06月01日 エンジン火災による損傷
・2013年08月06日 悪天候着陸訓練時における不時着
・2014年10月01日 機体からの転落死
・2015年05月07日 着陸時異物吸入によるエンジン停止で墜落
・2016年12月13日 操縦ミスによる空中給油機と衝突、不時着
・2017年07月11日 駐機中の落雷で整備員が死傷
・2017年08月05日 強襲揚陸艦への着艦失敗
以上のように、「オスプレイ」に発生したクラスA事故のうちメカニカルな故障によって生じたものはほとんど無いのが実情であり、また故障もエンジンに集中していることがわかります。そのほかについては操縦ミスやほかの機体にも起こり得るものばかりであり、特に転落死や落雷による整備員の死傷などは機体に関係がないことは明らかです。こうした直接関係のない事故および地上で発生したもの4件を除いた場合、在日米軍基地への配備が始まる2012(平成24)年の時点において10万飛行時間当たりの発生件数は1.93件(この数字は防衛省配布の資料にも見られます)、そして2017年の時点では2.31件であり、ほんのわずかながら増加していることがわかります。一方ですべてを含んだクラスA事故の発生率自体は、2012年時点の3.86件から3.64件へ微減しています。
私はオスプレイ整備基地のある千葉県木更津市で、駅から徒歩五分程度の場所に四十年以上住んでいる者です。
航空機や軍事の知識に乏しい私でもよく理解できる良い記事だと思いました。
先々代の頃(戦前)より市内の中心部で個人商店を営んでいることから、市内中心部在住の勤め人の方々はもとより、海沿いの漁業関係者や内陸部の農家の方々まで、主に年配層を中心に幅広くお付き合いしておりますが、オスプレイの話題が口の端に上ることは全くと言ってよいほどありません。
かつて昭和五十年代の終わり頃、自衛隊にコブラが配備される際に革新政党の街宣車が市中を走り回っていたことがありまして、私の年代の者はそのことを思い出していることでしょう。
オスプレイの墜落云々に関しては今のところ気にならないとしても、近頃気掛かりなのが、この数年続いている海苔の不作がオスプレイと結びつけて報道され風評被害が立つことです。
もちろん、この数年の不作は海水温の上昇が原因とのことで、生産量も年々減少しているのですが、特定の思想を持つ人達がデータを切り貼りして、出鱈目な「真実」をでっち上げて拡散しやしないかと心配しております。
オスプレイが事故を起こす理由はアメリカが世界最大の借金大国(2京5000兆円以上)で破綻騒ぎまで発展しているから。
正直、オスプレイ出なくても露軍から軍用機を買えばそれで済む問題だと思います。
オスプレイのメカニカルな故障によって生じたものだけを事故率に結びつけて論じたいのならば、米軍機全体のメカニカルな故障によって生じたものだけの事故率を算出しないと結局オスプレイの事故率が高いのか低いのかわからないと思うのですが
まったくだ。恣意的に都合よくデータを改竄してはいけない。政治家たち(右も左も)と一緒の事してどうする。
事故が多いのは確かでしょ
かつて、VTOLやSTOLは夢の航空機だったと思います。滑走路が要らないまたは短くて済むのは理想的です。
しかしMV22は集中配備された24機のうち、全損で駄目になったのが既に何機もある状況。試作機ならともかく、制式となってからの機種としては正直?だと思います。
寄稿者は、事故は統計的には決して多くないと言いたかったのかも知れませんが、事故は増えているが原因は現時点では不明と結んでおられ残念ながら意味不明となってしまっています。
損失された機数が多いことだけでなく、墜落を不時着と意図的に言い換えて済まそうとするような当局の態度に市民は不信を持ち、悪感情のバイアスがかかってしまっていますので先入観も余計に強くなります。反対意見に耳を貸さず強引に進めた導入でしたが、筋書きは破綻し計画は失敗しています。
恣意的に一部の事故を除外するのは、全く説得力がない。
他の機種の事故も、そのような事故が含まれているはずだからである。
オスプレイに関しては、落雷・転落事故を除いた数値を使い、他機種に関しては落雷・転落事故を含めた数値を使って、比較して、何を論じたことになるのか。
驚くほどお粗末な議論で、がっかりした。
オスプレイには、通常の回転翼機(ヘリ)にも固定翼機(プロペラ機)にも無い機構/制御が入ってるので、事故率が他機種より高いのが当たり前です。個人的には、その割にはさほど高くない、と思ってます。
空中給油しくじって沖縄の海に「墜落」と騒がれた時、多分固定翼モードで滑空して民家の無い海へと操縦されたと想像してます。回転翼モードでオートローテーションが出来るのかどうか揉めてた割には、そういった固定翼モードでの回避手段があることを何も報道されないのは、偏りを感じます。(メインローター破損してたらオートローテーションも無理でしょうに)
まあ、「滑空して回避」といってもあの主翼面積では降下率かなり大きいはずで、回避出来る範囲はたかが知れてるでしょうけど。(グライダーみたいにふわふわ飛んでける訳ではない)
現場を見に行ったらどうでしょう。民家の上も低空で飛び回り、爆音被害。
それも飛行モードで飛んでいることもありますよ!
あれこれ言うより、事実を確かめたらいかがでしょうか?
「ハマのあに」さん
事実は知りたいですね。右にも左にもバイアスのかかってない事実。
「通りすがりのヤフコメ民」さんへreplyしたのと同様に、片寄ってるのはおかしい、と言うことを書いただけですけど、何かお気にさわりましたか?
オスプレイ事故率の記事には直接関係しないのですが、ついでに。
沖縄などでは民家学校病院と至近距離に基地が在ることが、オスプレイが配備される事の以前に最大の問題です。次が基地と演習場の位置関係(飛行ルート)だと思ってます。
基地をそこから無くす事が肝心。なのに個別機種の事を論ずるから論点がズレていく。オスプレイ追い出しても、代わって他の機体が飛び回るだけです。仮に老朽化した機種引っ張り出されてきたら、むしろ事故が増えるかも。
「オスプレイさえ居なければ」的な論調は、ちょっとおかしい様に感じてます。日本政府や沖縄県庁の対応もなんか変だとは思ってますけど。
欠陥かどうかが問題なのではなくて、重大事故が多いかどうかが問題なのでしょう。
「米海兵隊が運用する垂直離着陸輸送機オスプレイの今年8月末時点の重大事故率が、5年前の米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備前に日本政府が公表した事故率の約1.5倍に増え、海兵隊機全体の事故率も上回ったことが、海兵隊への取材で分かった。」(毎日新聞 10.30配信)
固定翼よりも回転翼のほうが事故が多いというのは常識です。オスプレイはそれらの良いとこ取りのように見える一方、逆に良いところを打ち消している構造でもあります。それを補ってあまりある利便性があるから議論になり得るのですが、いずれ利便性が打ち消されたら「欠陥は無いが構造的問題はある」という不思議な機種になるでしょう。だって、実際事故が多いのですから。
事故が多いのに「問題は無い」という結論にすることはできません。リコール隠しじゃあるまいし(笑)
そもそも軍用機の癖に整備が必要な箇所が多いのが問題。折りたたみ機構付き大直径ローター、角度可変型大出力ターボプロップ、単発でもローターを回転させるためのシャフト、主翼そのものの回転機構、フラップ、エルロン、その他諸々。調達費用よりも維持整備に金がかかる悪い意味でのアメ車的(あるいは旧日本軍機的)な飛行機。
序でに垂直離着陸機そのものが空力的な弱点、特に垂直飛行から水平飛行に移る際の遷移時の事故が起きやすいのは当然だし、陸上基地と比べて整備スペースも補修部品のストックも限られ、空気中の塩分濃度も高く、洗浄用の真水も制限され、その上揺れる強襲揚陸艦での整備がまともにできるとは思えない。
正直アメリカ海兵隊も贅沢な事を言わずにAW101(自衛隊のMCH-101、古い呼び方のEH101)級のヘリの開発に留めておけばよかった、という気もする。