日本の鉄道はどうできた? 『エンジニール』作者に聞く教科書にない「黎明期」とは

明治の鉄道黎明期を描くマンガ『エンジニール―鉄道に挑んだ男たち』。その作者・池田邦彦さんに作品の創作エピソードや思い入れなどを聞きました。

鉄道車両もすべて自分で描く理由

――マンガ原稿はアシスタントなしで、ひとりで描いているとお聞きしましたが、本当でしょうか?

 本当です。でも、絵を描くのは大変ではありますが、時間が読めますからそれほど……。むしろ話ができるまでが大変です。以前よりは慣れてきていますが、こればっかりは編集さんからOKをいただくまで、どれだけ時間がかかるか未知数ですから不安ですね。

 アシスタントを使わない理由は、自分で資料を調べて描いてくれる方がいれば良いんですが、そんな方はなかなかいらっしゃらないからなんです。自分で描いちゃったほうが早いんですよ。それと、私の描く鉄道車両を楽しみにしてくださっている読者の方もいらっしゃいますので、いまさらそれを変えるわけにもいかないという……。やれるうちは自分でやろうかなと思っています。

――鉄道車両の緻密な描き込みもさることながら、人物の表情もていねいに描かれていると感じました。

 表情はこだわっているつもりです。表情がないと漫画はおもしろくないと思っているので。実際に描いていてもおもしろいですよ。「瞳を小さくするとこんな感じになるんだな」とか、「影を当てるとその人の感情を表現できるな」とか。機関車を描くのと同じくらい楽しい部分でもありますね。特に島 安次郎の顔はアナクロで表情がとても描きやすいんです。眉毛がはっきりしていて、ひげが生えていて、「なぜだ!」「わからん!」と言ってると、安次郎は自然とそういう表情になっていますね。

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