コックピットからのアナウンス、工夫するパイロット 「機長からの報告によると」裏事情 JAL

JALには、パイロットの機内アナウンスについて考えるワーキンググループがあります。「したくてもできない」などさまざまな制約があるなか、パイロットたちが工夫しているそうです。

パイロットは「頑固おやじ」?

――さきほど話に出た「アナウンスをしてはいけないタイミング」について、具体的に教えてください。

毛利「地上での走行中、離着陸の操作中、上昇中、降下中、まもなく上昇、降下を開始する、というタイミングです。要は航空機の体勢に変化が生じるときですね。我々はそれを『脆弱性の高いフェーズ』と呼んでいます。ただそのフェーズでも、旅客および乗員の安全確保を目的としたアナウンスは実施します。もちろん、アナウンスをしたら危険な場合は行いません。安全を第一に確保してからご説明するという順番です」

――日々のフライトのなかでパイロットが行うアナウンスは、気象条件や到着予定時刻などがメインになるのでしょうか。

千葉「そうですね。あとは飛行経路に関するご案内、景色に関するご案内、ご利用のお礼といった内容が中心になります」

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フライト前のブリーフィングで気象条件などを確認する(2017年8月、恵 知仁撮影)。

――アナウンスの回数について、決まりはあるのでしょうか?

千葉「いい景色が見えるからといって都度案内していると、お客さまにご迷惑がかかるので、回数は『適度』といったところでしょうか。国内線は時間も短いので、操縦室からのアナウンスは基本的には1回です」

毛利「時間帯や路線、お客さまの構成なども意識します。早朝や深夜のビジネス路線は控えめにしますが、リゾート路線はご家族連れが多いので、極力ご案内しようと思います。そのときは、客室乗務員にお客さまの状況を聞きますね。休まれている方が多い場合は控えますし、窓の外を眺めている方が多い場合はご案内します。パイロットはお客さまの顔が直接見えないので、その都度、客室乗務員とやり取りしています」

――国際線はアナウンスの機会が多くなるのでしょうか?

毛利「国際線は巡航時間が長いので、とてもきれいな景色があった場合はアナウンスしますし、あわせて、ちょっとした工夫でそうした景色が見えやすい経路を飛行する場合もあります。お客さまには思い出を持ち帰っていただきたいですし、また日本航空に乗っていただきたいですからね」

――パイロットの声が聞こえたほうが、乗客もより印象深いフライトになるでしょうね。

毛利「『人間としてのパイロット』をご紹介したい部分もあります。パイロットは職人気質の人も多いですが、武骨でもいいので自分の言葉で、心を込めてお客さまにアナウンスをお届けしましょう、ということです。“頑固おやじ”みたいなパイロットが操縦してるわけじゃないぞ、と。フライトひとつひとつに人間味を感じていただきたいという思いです。特に夏休みのや冬休みの期間は、お子さまに向けたアナウンスもしています」

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