複葉機があのカタチのワケ 日本唯一、飛行可能な戦間期モデルの乗り心地は…?
人が「いいかげん」に空を飛んでいた時代を物語る機体
「ランウェイ・イズ・クリア(離陸支障なし)」
岡南飛行場の管制塔から離陸許可が出ると「WACO」は、いまや日本では見られなくなってしまった、放射状にピストンが配置された「空冷星型エンジン」の特徴的な心地よい爆音を響かせ離陸します。僅かに風に混じるエンジンの熱気を感じながら、「窓」が存在しない「WACO」から眺める美しき瀬戸内海とその島々は、これまで何度も経験してきた旅客機という「箱」から眺めるものとは全く異質のものであり、まさに「空を飛んでいる」という体験そのものを全身で実感することができました。
ですが実際に操縦するパイロットの視点においては、瀬戸内海は美しさの反面、どこにいっても同じような島ばかりで地図を見ても迷子になってしまいそうな厳しさもあると内海さんは言います。一見すると旧式な「WACO」にもGPSといった航法装置は搭載されているものの、こうした計器はほとんど使わないとか。地元岡南飛行場の自家用操縦士たちはその代わり、どちらの方向から見ても円錐に見える特徴的な「大槌島(おおづちじま)」がどの位置に見えるかによって、自分の位置を把握するそうです。
「WACO」は、日本で飛行可能な状態にある飛行機のなかでは設計がもっとも古い機体であり、だからこそ内海氏は「いい加減さ」など操縦する楽しさにあふれた面白い古き良き飛行機だと言います。
たとえば燃料計は、タンクの下に飛び出した透明な筒に浮きが見えたら「あと40分くらいで燃料が無くなるから降りろ」という意味になる、といったような大雑把なものであったり、また星型エンジンの機構上エンジンオイルが駐機中も飛行中もほとんどだだ洩れで、一般的なセスナ機の3~4倍にあたる5ガロン(23リットル)も使用していたり、また、サッカー場のような広場さえあれば離着陸できた時代の名残なのか、強い横風で離着陸するのは難しかったりなど、その魅力を語ってくれました。
【了】
Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)
1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。
>エンジンオイルだだ漏れ
小学生のとき、年輩の先生から戦時中戦闘機の下面のオイル汚れをガソリンで掃除した話を聞いた。
戦時中の話を親戚から聞いていて、同年より色々知っていたからかわいがってもらえた。
…ひどい近眼と運動が不得意でしごかれ、連帯責任を憎むが故に日教組に入ったという複雑な人だった。
『紅の豚』観ようっと。
キャノピーと風防のある複葉機はあるにはある。例えばアメリカのSBCヘルダイバー急降下爆撃機(太平洋戦争後期の同名のSB2Cとは全くの別物)とかイギリスのアルバコア雷撃機とか。しかし見た目も無様すぎる。やはり複葉機は開放コクピットでないと似合わない。
だれも「戦間『期』モデル」をスルーしてる件…。
この記事見て、エアロックが解散してしまったことを思い出しました。
リアルタイムに観て感動した複葉機のショーでした。
自己レス。
戦闘機と見間違えてました。
すいません。
趣味の世界ですよね。