飛行機のダイヤ、夏と冬でどうちがう? 年2回、世界の航空会社が一斉にダイヤを変更する理由

航空ダイヤでは夏と冬の2回、大きなダイヤ改正が行われ、それぞれ「夏ダイヤ」「冬ダイヤ」と呼ばれます。ダイヤはどのようにして決められるのでしょうか。夏と冬で、所要時間が大きく変わる便もあります。

冬は飛行時間55分増しに!?

 ジェット気流の影響を受けやすい路線では、夏冬のダイヤでフライトタイムはどれほど異なってくるのでしょうか。

 たとえばANA(全日空)の成田から向かい風となるインドのデリーへ向かう便では、夏ダイヤでは9時間25分のところ、ジェット気流の影響が大きくなる冬場は10時間20分と、55分も異なってくるといいます。同様に向かい風となるJALのホノルルから成田への便では、夏に8時間40分から45分のところ、冬には9時間20分から35分と、やはり40、50分の差が生じています。

 国内線ではどうでしょうか。ANAによると、「夏場のジェット気流は日本よりも北に流れていますが、冬場は、それが沖縄付近まで南下してきます」とのこと。このため、冬ダイヤにおけるANAの羽田発福岡行きは夏ダイヤより15分、JALの羽田発那覇行きは30分、それぞれ飛行時間が長くなっています。

 では、このジェット気流の影響をあまり受けないようルートも調整されているかというと、ANAは「国内線では原則として航空局が公示する経路に従うため、夏冬で大きく違うことはあまりありません」といいます。「国際線では国によって考え方が異なるので一概には言えませんが、たとえば日本と北米のあいだではしばしば、日米の管制当局間において1日単位で設定される経路を使います。日本から北米へは、ジェット気流の追い風に向かうような経路、北米から日本へは、ジェット気流の向かい風を避けるような経路を公示されることが多いです」(ANA)といい、その日の天候や便ごとの状況によっても異なってくるようです。

 飛行高度については、夏と冬で違いがあるといいます。「ジェット気流の影響が小さい夏場は、空気密度の小さい高高度のほうが速度、燃費などで有利になる傾向がありますが、冬場はジェット気流が南下し、日本付近では高度約9000mから1万2000mで最も強くなることが多く、それよりも低い高度を選択したほうが有利になることがあります」(ANA)といいます。

 また先述のとおり、夏冬のダイヤ改正時に、成田や羽田など世界的にも混雑している空港では、希望する発着枠を獲得することが困難な場合もあります。このため、たとえばANAでは、マイレージサービスなどを共有するアライアンス(航空連合)の枠を越え、太平洋路線ではユナイテッド航空と、ヨーロッパ路線ではルフトハンザ・ドイツ航空とそれぞれジョイントベンチャー(JV、共同事業体)という事業形態を採り、夏冬のダイヤ改正時にお互いの出発時間や到着時間を調整しているといいます。これにより、ANA便と両社の便とで乗り継ぎ時間を短縮したり、接続可能な路線数を増やしたりしているそうです。

【了】

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