東京の「410円タクシー」まもなく1年 短距離安く長距離値上げ 増収につながったのか

初乗り410円、収入アップにつながった?

――新しい乗客は獲得できているのでしょうか?

 そのように考えています。というのは、「近くて申し訳ない」と思われるお客様は、もともと初乗り730円のころからタクシーに乗っていた方で、410円になったことで新たに乗り始めた方は、そのようには思っていないでしょう。裏を返せば、新しいお客様の利用が増えているのではないかと考えています。

※ ※ ※

 実際に、新運賃の導入によりタクシーの利用頻度や収入はアップしたのでしょうか。

 東京ハイヤー・タクシー協会(東京都千代田区)の運輸資料に基づく、新運賃となる以前の2016年10月、新運賃導入直後の2017年2月、同年10月の輸送実績は次の通りです。なお、輸送回数や税込運送収入は、東京23区、武蔵野市、三鷹市の全法人タクシー事業者(約300社)の合計で、「1回当たり実車キロ」は、1回当たりの平均乗車距離を指します。

・2016年10月:輸送回数約1641万9000回、税込運送収入約304億3293万円、1回当たり実車キロ4.2km、実働1日1車当たり運賃収入4万8723円
・2017年2月:輸送回数約1588万4000回、税込運送収入約281億2671万円、1回当たり実車キロ4.01km、実働1日1車当たり運賃収入4万9238円
・2017年10月:輸送回数約1795万5000回、税込運送収入約320億283万円、1回当たり実車キロ3.99km、実働1日1車当たり運賃収入5万1261円

 運賃改定後、平均乗車距離(1回当たり実車キロ)は減少したものの、1台のタクシーが1日で得る収入はアップしており、このことからも短距離の利用が増えたことが伺えます。ただ、これら実績について東京ハイヤー・タクシー協会は、「運賃改定後、全体的な傾向としては輸送回数、運送収入ともに『微増』です」といい、大きく改善された印象ではないようです。

 東京ハイヤー・タクシー協会によると、現在の運賃体系は当分のあいだ続くとのこと。「この『410円タクシー』というサービスについて、今後さらなるPRを検討していきたい」としています。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. >東京23区および武蔵野市、三鷹市のタクシー
    ってよく言うけど狛江市は含まれないんだろうかといつも疑問に思うのよね。
    狛江市は世田谷区に吸収されているのかと。

    • 含まれません
      23区+武蔵野市・三鷹市と多摩地区では料金体系が異なります
      で、狛江市は料金体系制度上は多摩地区に分類されてるので

  2. 訂正
    狛江市は含んでもらえないのかって話ね。

  3. 東京へ観光に行く時の為に覚えておこう

  4. んなわけねーだろ

  5. 増収になるのか?利益は出ないだろ
    そのへんのチェーン店と同じ、営業時間延ばせば売り上げは増える
    だがしかし利益は出ない