80~90年代日本車が北米で大人気のワケ 日本の実情にハマる「15/25年ルール」とは?

外国から日本の中古車はどう見られている?

 パシフィック・コースト・オート社のウェブサイトには、「WHY JDM?」と題し「なぜ、日本で使われていた日本車が中古車として優秀なのか? 人気があるのか?」について書かれています。もちろん、日本車そのものの性能が良いこと、壊れにくいし、古い車でも部品の供給がスムースであることなどは前提としてありますが、これらに加え、「日本における車の使われ方、所有のされ方」について言及されているのでご紹介します。

●パシフィック・コースト・オート「WHY JDM?」より抜粋
・日本は車を所有することに北米よりもはるかにたくさんの制限がある。ガソリン、税金、駐車場も高く、車庫証明なども必要なので、車を持てる層は限られている(つまり一定以上の収入がある人しか車を所有できないので、大切に扱われている車が多い)。
・2年に一度(新規登録時は3年)車検があるので、古い車であってもきちんと走れる車がほとんど。
・車の整備や点検は、ほとんどのユーザーが認証を得たプロの整備業者やディーラーに任せている。
・日本の都市部では公共交通機関が発達しているので都市部で所有されていた車は特に走行距離が少ない。
・10万キロ程度で抹消登録(廃車)にしてしまおうと考えるユーザーも多数。
・…などなど。

 つまり、日本で乗られていた車は、もともとの車の性能に加え、世界でも例を見ないほどコンディションが良く、それでいて値段もリーズナブル、人気が集まるのもわかりますね。

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日本国内で1995年に発売されたR33型「スカイラインGT-R」。カナダではすでに15年ルール適用対象(2017年、加藤博人撮影)。

 確かに、日本人の年間走行距離は1万km以下であるのに対して、アメリカでは年間3~4万kmの走行で、総走行距離が30万kmを超えて普通に走っている車も多々あります。日本における法定耐用年数も新車の場合、初度登録から4~6年で償却するのが原則となっていますから、5年経過すると途端に査定価格も下がってしまいます。

 日本ではスクラップになってしまう中古車でも、海外のユーザーに切望され、現地で大活躍するクルマがこれからも増えそうですね。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. オートバイの話になりますが、ヤマハのR1Zも、とてもカッコいいですね!
    わたしは、普通自動車の免許しかないので、これからは普通2輪の中型免許をとって、頑張っていきたいと思います☀

  2. こういう乗り方が一番幸せだよね、FRカローラなんて当たり前に走ってるし、いかに当時の車が走る為に生まれたかが分かる証しだね、今は新型こそ最高と洗脳されたユーザーの代替え需要に支えられてる自動車業界ですからね、評論家をも召し抱えて辛口を封じてまで自社製品を肯定させるザマに日本製品の将来に暗雲間違いなしですな

  3. うーん… 今のところお父さんと独身者の個人的な趣味にとどまっている感じがする。他の国々の古い車と同じ程度の人気。
    やはり一般家庭の大勢はトラック型ビッグサイズSUVで節税に励んでるんじゃないだろうか。

  4. しかし、この15/25年ルールもいつまで適用されるのか。ゼロエミッションや排ガス対策が厳しくなれば必然的に制限ないし廃止され得る事を考えなければ。

  5. いいねー、車庫や庭に置いて眺めるだけで絵になる車、今は誘い道具の優遇税制のオマケ付やリースだ何だと所有権から切り離さないと道を走れない時代だからね、確かに環境は大事だけど、その環境を保つ大義の電気自動車の充電の電気を発電する電気の親玉の環境対策はできてるんでしょうかね?