誤差0.1秒で到着 列車運転士「定時運転」どう実現? 線路に目標、編成の性格見抜き(写真14枚)

列車の運転免許取得にあたり、「定時運転」というチェック項目があります。東京メトロ南北線でその職人技を取材したところ、誤差わずか0.11秒という結果も。運転士はどのようにして定時運転を実現しているのでしょうか。

編成によって「個性」がある電車

誤差0.11秒、運転士の職人技「定時運転」とは(1分33秒)。

指導員「市ケ谷から四ツ谷駅間、運転時間1分30秒です!」

運転士「はい! 点灯! 点滅! 進行! 出発!」

 こうして市ケ谷駅を発車した東京メトロ南北線の試運転列車は、ほどなく次の四ツ谷駅に到着。そのとき計測された運転時間は「1分29秒89」。誤差、わずか0.11秒でした。

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ストップウォッチを持つ指導員の奥山真司さんと運転士の奥谷龍一さん(2018年1月、恵 知仁撮影)。

 これは電車の運転免許(動力車操縦者運転免許)取得時にチェックされる、「定時運転」と呼ばれる項目。東京メトロは1秒もずれない運転技術の習得を目標にしているといいます。

「運転する編成によって、ブレーキ力が違います。また南北線は、編成により4M2Tだったり3M3Tだったりするので(注:かんたんにいえば、編成によってモーターの数が違う)、運転ではその違いを考える必要があります。今回運転した9000系電車の13編成は4M2T(注:モーターが多い)でパワーがあるため、早めにノッチオフ(注:アクセルオフ)。そしてブレーキの効きが後半で変わってくるため、5km/h以下になったとき、特に注意しました」(東京メトロ 南北線乗務管区 運転士 奥谷龍一さん)

 定時での運転を目指すにあたって、運転士は「この標識でブレーキかけると20秒で停車する」というように、線路脇に目標物を設定するといい、「ホームドア何枚目」という形の目標設定もあるとのこと。ただ、やはり地下は地上より、目標にできるものが少ないそうです。

 ちなみに、どういう“個性”をもった編成が運転しやすいかについては、運転士の好みもあるため、一概にはいえないのだとか。また加速やブレーキの具合は、乗車人数などによっても変わってきます。

 なお東京メトロ南北線は通常、「ATO(Automatic Train Operation:自動列車運転装置)」を使い、運転士がボタンを押して自動的に発車、走行、停車という形で運行されていますが、技量維持のために運転士は月二回、営業列車で手動運転を行っているそうです。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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コメント

1件のコメント

  1. 月2回で維持可能というのはすごいが、ATOとの定時運転の定時率の比較をしてほしかった。なんかタイトルと比べて内容があっさりしすぎ。