米で人気の国内自動車パーツメーカー、その背景 各社に聞いた「選ばれる理由」とは

TEINの「車高調」とは?

 日本では「車高調(車高調整式サスペンション)」という言葉はあまり一般的ではなく、マニアックなサスペンションチューニングという認識かもしれませんが、アメリカではサスペンションの改造が非常にポピュラーなので、「コイルオーバー(coilover、車高調の意)」の認知度は日本とは比較できないほどです。コイルオーバーで米国のユーザーに圧倒的支持を得ているTEIN(テイン) USAのジェネラルマネージャーである中井克真さんに話を聞きました。

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取材に応じてくれたTEIN USAのジェネラルマネージャー、中井克真さん(2017年11月、加藤博人撮影)。

「TEINは2002年から米国に拠点を持ってビジネスを開始しました。それまでTEIN製品の並行輸入が大変多く行われており、市場調査からマーケットがあると判断しました。1990年代から2000年前後の好景気・日本車人気から、リーマンショックまでは爆発的にマーケットが拡大しました。弊社が米国でお客様に選んでいただける一番の理由は、JDMブランドという安心感、信頼感がベースになっていると思います。加えて、『現地にて、常時製品開発を行うことができること』『TEIN USAにエンジニアを常駐させ、製品開発・モータースポーツサポート・苦情/クレームの現地対応ができるほか、お客様の製品のオーバーホールサービスを現地で行うことが可能なこと』『USA専用製品の開発を行っていること(US専用品番と言われるもの)』『完全自社生産を行えるので価格面でもさらに低価格化が可能』といったことが理由として挙げられると思います」(TEIN USA 中井克真さん)

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TEINのスプリングとショックアブソーバ(2017年11月、加藤博人撮影)。

 筆者(加藤久美子:自動車ライター)も今回の取材で初めて知ったのですが、TEINでは日本と同じ車両向けの製品であっても、日本とアメリカで同じ製品というわけではないのです。日米では道路状況、仕上げたい車高などが根本的に違うため、日本仕様の製品をそのまま装着しても、パフォーマンスや乗り心地といった性能面では、本来の性能を発揮できません。そのため米国での使用に向け丁寧で繊細なセッティングを行い、さらにトラブルにも即対応という体制が敷かれているそうです。これらTEIN独自の対応がアメリカを初め、海外マーケットで絶大な支持を拡大しつつある理由なのでしょう。

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