米で人気の国内自動車パーツメーカー、その背景 各社に聞いた「選ばれる理由」とは
「SEMAショウ」に50台、ボディキットのロケバニとPANDEM
ここ3年から4年のあいだに米国で人気急上昇なのが、リベット留めオーバーフェンダーで知られるボディキットブランド、ロケットバニー(通称:ロケバニ)と、その弟分のPANDEMです。「SEMAショウ」ではロケバニ・PANDEMのボディキットを装着した出展車が50台に達しました。人気の理由を製造元であるT.R.A京都に聞いてみました。
「米国での取り扱いは8年前からです。派手でインパクトがあるシルエットですから、アメリカで瞬くまに人気のアイテムとなりました。ド派手な外観ではありますが、計算し尽くされた繊細なラインを綺麗にだすために一流の樹脂素材を使って一流の職人が日本で作っています。米国での人気の理由はやはり、日本製パーツへの信頼がベースでしょうね。またワイドボディは日本では車検の関係でなかなかすんなり装着というわけにはいきませんが車検のないアメリカでは関係ありません(笑) お陰様で高い評価を頂いています。」(T.R.A京都)
TAKATAブランドは死なず
エアバッグの件でタカタは現在事業譲渡のさなかですが、同社のフルハーネス(競技用の5、6点式シートベルト)は米国で大変人気があります。タカタは1930年代に繊維織物会社として出発し、戦後間もない1950年代にシートベルト開発に着手。1964(昭和39)年に日本初の5点式フルハーネス(競技用シートベルト)を開発しています。シートベルトを搭載した一般車など、ほとんどなかったころの話です。タカタは2017年に米国でのフルハーネス事業を売却していますが、近年のJDM人気の影響を受けて、TAKATAブランドのフルハーネスの人気が再燃していることから、数年間はいまのブランド名のまま販売が続けられるようです。
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こちらに紹介した以外にも、Greddy(トラストの海外ブランド)、Defi(日本精機が展開する高級メーターブランド)、ファルケン(住友ゴム工業が展開するタイヤブランド。近年はエアレースのスポンサードでも知られる)などなど、海外で人気上昇中の自動車パーツブランドはまだまだあります。
【了】
Writer: 加藤久美子(自動車ライター)
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。一般誌、女性誌、ウェブ媒体などへの寄稿のほか、テレビやラジオの情報番組などにも出演多数。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。愛車は新車から19年&24万キロ超乗っているアルファスパイダー。
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