地下鉄なぜ道路の下を通る 背景にある「工法」と「権利」、法律の整備で新たな展開も

地下鉄の多くは道路の下に建設されています。工事方法や権利問題などがおもな理由ですが、最近は新しい法律の制定により、道路下を通らない地下トンネルを建設しやすくなりました。

「上」の権利は「下」にも及ぶ

 ただ、地下鉄の整備が進んでくると、道路下のスペースに余裕がなくなってきました。また、開削工法で道路の下に地下鉄を建設する場合、道路を一時的に閉鎖したり、車線の数を減らしたりしなければなりません。都市の発展に伴って交通量が増えてくると、一時的であっても道路をふさぐことが難しくなってきました。

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円形の断面が特徴的なシールド工法のトンネル。シールド工法なら建物の下でも容易に建設できるが、それでも道路の下を通ることが多い(2006年12月、草町義和撮影)。

 そこで、開削工法に代わって普及したのが「シールド工法」です。これは一般的な山岳トンネルと同じように、横へトンネルを掘り進めるもの。道路を閉鎖したり車線や歩道を減らしたりする必要がありません。それどころか、地上の建物を撤去することなく掘ることもできます。必ずしも道路の下を通る必要がなくなりました。

 ところが、シールド工法で建設された比較的新しい地下鉄も、地図を見ると道路の下に建設されていることが多くなっています。ここで、もうひとつの理由として出てくるのが、土地の権利です。

 日本の民法は「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」(第二百七条)と定めています。地下鉄は土地の下に建設するわけですから、地上の土地を買収するか、トンネルを掘る部分の権利(区分地上権)を買わなければなりません。

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