飛行機の塗装、なぜ「白」が多い? コストだけでないさまざまな理由

地上の整備士にとっても利点が

 白の機体塗装はコストなどの合理性だけでなく、地上での整備においても利点があるといいます。
 
 以前は飛行機の整備士だったというJGASの担当者は、自身の経験から次のように話します。「機体を下側から見た時に、オイルなどの漏れや塗装の腐食などを発見しやすいですし、白は熱を吸収しにくく、客室の温度上昇も抑えられます。飛行中はエアコンが効いていますが、地上で整備を行う時はエアコンが入っていない場合が多く、特に夏場の機内は猛烈に暑くなるのです」(JGAS担当者)

 白い塗装は熱を吸収しにくいということですが、黒を基調としたコーポレートカラーで知られるスターフライヤーは、機体のほとんどの部分が熱を吸収しやすいとされる黒色になっています。

 このことについてスターフライヤーに聞いたところ、当初から黒い塗装と機体の温度上昇の関係について心配の声があったといいます。

「黒色の塗装は世界でも前例がなかったため、関係者から『飛行中に太陽の熱を吸収し、計器類への支障があるのでは?』との声が上がりました。そこでメーカーの協力で実証を行い、黒色の塗料でも安全性に問題はないと証明されたため、黒色の機体塗装が実現したのです」と、スターフライヤーの担当者は話しています。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. エアシステムの塗装が好きだったな。

  2. 腐食対策を別として、無塗装が少ない理由も知りたい。
    軽量化を目的としたJALカーゴのジャンボに無塗装機があったがかっこよかったな。

  3. 金属の生地そのままみたいな印象を受けるアメリカン航空の無色塗装(それとも無塗装?)が好きでした

  4. 下地が白だろうが他の色だろうが、その下塗りのままで良いわけがないから、結局上塗りは施工するよね。塗装の理解が低いまま書いちゃった記事かな?スケないから、塗膜は薄くできるから重量軽減出来るよ、って事だよね?!