海自導入か「多用途防衛型空母」、どんな船に 期待されるのはその「存在感」?

「空母」といってもいろいろある? 各国海軍の場合

 日本では「空母」と聞くと、横須賀に配備されている「ロナルド・レーガン」をはじめとするアメリカ海軍のニミッツ級原子力空母や、中国海軍の「遼寧」のような、多数の戦闘(攻撃)機を搭載する、大型空母の姿を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが、世界では、今回安全保障調査会が提言した、多用途防衛型空母のような空母が増えています。

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必要に応じて強襲揚陸艦の「ファン・カルロス1世」に搭載されるスペイン海軍のAV-8B「ハリアーII」(竹内 修撮影)。

 イタリア海軍が運用する「カブール」は、空母に分類されていますが、海兵隊員などの地上部隊の人員を収容するスペースと、地上部隊を地上に送りこむ揚陸艇を搭載しています。航空機の格納庫は車両の格納庫としても使用可能で、イタリア陸軍のアリエテ戦車であれば24両が搭載可能となっており、車両を搭載するための出入り口(ランプ)が2か所設けられています。また医療設備も手術室3室と病室、歯科治療室を備えており、病院船としても高い能力を発揮できます。

 スペイン海軍の「ファン・カルロス1世」は、地上部隊を揚陸艇とヘリコプターで揚陸させる強襲揚陸艦という艦種に分類されていますが、F-35Bなどが離陸する際に滑走距離を稼ぐ役割を果たす、スキージャンプ甲板を備えており、必要に応じてVTOL(垂直離着陸)戦闘攻撃機のAV-8B「ハリアーII」を搭載し、軽空母として使用することができます。

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トルコが建造を進めている強襲揚陸艦「アナドル」の大型模型(竹内修撮影)。

 オーストラリア海軍も、予算不足のためいまのところF-35Bを搭載する予定はありませんが、「ファン・カルロス1世」の準同型艦であるキャンベラ級強襲揚陸艦を2隻保有。トルコ海軍も準同型艦「アナドル」の建造を進めており、「アナドル」にはF-35Bを6機搭載する計画がなされています。またイタリア海軍が建造を進めている新強襲揚陸艦「トリエステ」は、通常はヘリコプター12機から15機を搭載しますが、必要に応じてF-35Bの搭載も可能となっています。

 ジェット戦闘機の運用能力と強襲揚陸艦(輸送艦)の機能を兼ね備えた多用途空母は、韓国やシンガポール、中東諸国などでも導入が検討されていると報じられており、「ファン・カルロス1世」を建造したスペインのナバンティア社など複数の造船メーカーが、多用途空母の設計案を各国に提案しています。

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コメント

4件のコメント

  1. 空中給油機導入が効率的ってあまり機体スペックとか重視の中途半端な軍事ジャーナリストのお題目を信じていたら駄目。実際の軍事作戦とか知らないというか、ちょっとした少部隊の作戦行動でも今の給油機の数倍の機体が必要。彼らが言う作戦行動するためには10倍近い機数が必要なんだが。

  2. 他の記事にも書いた/書かれてたけど、空中給油機は燃料補給しか出来ない。武器弾薬の補給は飛んでない時にしか出来ない、って事をお忘れの方が多い様に思う。

  3. 対外防衛のためには空母よりも航空自衛隊の基地を作る方が良さそう。もっと言うと既存の地方空港を軍民共用にするのが一番コストがかからないと思う。稚内とか女満別とか長崎とか佐賀とか。

  4. 「しらせ」に限らず、よほどの急ぎ以外は助けてくれるようですね。