横浜の「氷川丸」、竣工88周年「米寿」迎える 唯一現存する戦前日本の大型貨客船

横浜の山下公園に係留されている日本郵船の船舶「氷川丸」が、完成から88年の米寿を迎えました。

米寿イベントに約8000人

 2018年4月25日(水)、横浜に係留されている日本郵船の「氷川丸」が、竣工88周年の“米寿”を迎えました。

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米寿を迎えた「氷川丸」と、(左から)船長の金谷範夫さん、名誉船長のキャプテンハマー(画像:日本郵船)。

「氷川丸」は戦前に日本で建造された大型貨客船で、唯一現存する船舶です。全長163.3m、総トン数1万1622トン。1930(昭和5)年4月25日、当時の最新鋭大型ディーゼル機関を搭載し、シアトル航路向け貨客船として竣工しました。

 戦時中は政府が徴用し、海軍特設病院船として使用しました。終戦までに3度機雷に接触したといいますが、当社の大型船では唯一沈没を免れました。

 戦後も病院船のまま復員輸送に従事し、1947(昭和22)年に改装されて貨客船に戻り、1953(昭和28)年にシアトル航路に復帰。1960(昭和35)年に船齢30年に達し、第一線から退きました。

 日本郵船によると、徴用期間を除き、引退までに太平洋を横断した回数は254回、運んだ船客数は2万5000人あまりといいます。

 1961(昭和36)年からは横浜の山下公園に係留。その後、氷川丸マリンタワーの所有を経て日本郵船に譲渡され、2008(平成20)年には「日本郵船氷川丸」として竣工当時の姿に近い形に復原されました。2016年には国の重要文化財(歴史資料)に指定されています。

 2018年4月21日(土)には、日本郵船が「氷川丸」の“米寿”を記念したイベントを同船内で開催。約8000人が来場しました。同社は「今後も、歴史的資料の散逸防止や保存に努めるとともに、日本郵船歴史博物館や日本郵船氷川丸を通じて、日本の海運の歴史を後世に伝えることで海事思想の普及に貢献します」としています。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 氷川丸が米寿を迎えたのは喜ばしいことだが長らく修繕されてないとのことなので今後が心配される

  2. 単に現存しているダケでなく、キチンと登録も継続して現役として毎日点検・整備されているんですよ。
    実情は山下公園の桟橋に係留されたままであり、地元でも昔から「係留されているダケで海に浮かんでいる派」と、「既に船底は海底にコンクリート付けされている派」の意見が日常的でした。
    しかし実情は登録継続で日々の点検・整備をしているように、今でも係留されているダケでありキチンと対処すれば出航も不可能ではないようです。