リニア走行中も快適なネット通信が実現? 500km/hでも途切れない通信、NICTが実験成功

列車に「伴走」させるように信号を配信

 大容量通信が可能な周波数の高い電波は到達距離が短く、そのため無線局をこまめに設置する必要がありますが、そうすると無線局の切り替えが頻発するデメリットが生じます。光ファイバは、金属ケーブルと比べて伝搬損失が少ないため、「ファイバ無線技術」は、周波数の高い電気信号を長距離伝送できる特長があります。

 また、一般的に高速鉄道は、列車の走行位置が運転指令所で集約管理されるシステムであるため、その位置情報に基づいて、信号を配信する無線局を決められます。走行する列車に対して、沿線の無線局から信号を“伴走させるように配信”していくことで、途切れない通信システムの構築が可能になるとしています。

 NICTは、「リニアセル方式」と「ファイバ無線技術」を組み合わせて大容量無線通信を実現させた場合、無線局の切り替えによる通信断絶を極小化できると説明。仮に、1km間隔でミリ波無線局を配置し、500km/h(無線局間をおよそ7秒で通過)で走行しても、無線局を切り替えながら毎秒20ギガビットの信号が送信可能になるといいます。

 今後は、鉄道総合技術研究所など他企業・機関と共同で、実際の鉄道路線で実証実験を行い、産学官連携の共同開発研究と社会実装を加速していくとしています。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. リニアで快適に使えるPCも欲しくなる事は必至