将来は「大化け」? 京阪中之島線、延伸でどう変わる(写真12枚)

中之島延伸は「万博」「カジノ」しだい?

 転機となったきっかけはふたつ。ひとつは、2017年に大阪が正式に立候補した2025年の国際博覧会(万博)開催です。会場予定地となる夢洲(大阪市此花区)には公共交通機関が現在はバスしかないため、開催が決まれば鉄道の整備が喫緊の課題となります。

 先に述べた答申第8号では、大阪メトロ(旧・大阪市営地下鉄)中央線とともに、中之島線が夢洲まで延伸される構想となっており、会場へのメインアクセスとなるのは間違いありません。開催地が決定されるのは2018年11月。有力なライバルだったパリが立候補を取り下げたこともあり、大阪府や大阪市の招致活動は熱を帯びています。

 ただ、3000万人以上の来場者が見込まれるとはいえ、万博の観客輸送は一時的なもの。埋立地である夢洲の開発は順調とはいえず、せっかく鉄道を建設しても万博の終了後は乗客が激減するというのが目に見えています。

 そんな状況を変えたのが、同じく大阪府や大阪市が主導となって推進する「IR(統合型リゾート)構想」です。カジノをメインとしたリゾート施設を夢洲に建設するという構想で、もし実現すれば鉄道の需要にもつながるというわけです。政府はIR設置に必要な法案をいまの国会で成立させることを目標としており、またアメリカの大手カジノ運営会社が大阪への進出に興味を示すなど、事態はここに来て大きく動き出しました。

 そして、これを受ける形で中之島線の延伸も現実味を帯びてきました。2018年2月中旬には、中之島~九条~西九条というルートが検討されていると各社が報道。京阪自らが直接夢洲へ乗り入れるのではなく、九条で大阪メトロ中央線と、西九条でJR桜島線と接続することで、夢洲への延伸が検討される両線と連携する考えです。京阪ホールディングスの加藤好文社長は新聞のインタビューに対し、1000億円規模を投じて5年以内の開業を目指すとし、意欲を見せています。

 もっとも、万博やIR構想はあくまでも構想段階であり、中之島線をはじめ各路線の延伸もこれらの誘致が実現することが大前提です。逆に言うと、万博やIRの誘致が決定すれば一期に計画が進み、5年後には新たな路線が開通している可能性が高いと言えるでしょう。大阪の鉄道路線図が大きく変わるかもしれない、その“運命の瞬間”は着々と近付いています。

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コメント

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8件のコメント

  1. 青写真通りに行くとよいけどね。
    万博やカジノよりも、南海から如何に客を貰うかに気を傾けた方が無難ではないか。

  2. 絶対ないわ
    全部青写真通りにいっても万博の期間を除いては数万単位の客が乗るわけではない
    御堂筋線と繋がっていない以上、特急の始発を変更するほどでもない
    特急が走らなければ魅力は8割減
    全席指定の特急走らせるなら収益もあげやすいが、南海~なにわ筋線~京都の特急が走ったらそれに勝てない
    そんなもの作るなら、渡辺橋から梅田に伸ばして環状線から客を奪うとか、七条から京都駅に伸ばしてバスから客を奪うとかの方がよっぽど需要がある

  3. 「大化け」と言いますが仮に成功した所で開業当初の水準に達する事すらもう無いのでは…?

  4. 特急西九条行きか

    • 西九条行きどころか神戸三宮行き(阪神へ乗入れ)狙ってたりして。九条経由もその為(方角揃え)だったり。

  5. IRと万博なんて確証のない不安定要素に頼っても仕方ない。

    まずは無事になにわ筋線の整備が進んで、中之島駅が接続駅としてきちんと機能するかどうか。

    ついでに、九条へ行ってから西九条に向かうより、先に西九条まで結んでから弁天町なり朝潮橋に向かうほうが合理的な気がするけどな。

  6. 延伸先が埋め立て地(カジノ)では将来性は見込めないでしょう。万博のときにはにぎわうとおもいます。

    この線は地下鉄との連絡もわるいし、微妙です。阪神とつなげれば、大きな収益が見込まれるでしょう。その場合、近鉄との調整などが必要になってきますが、カジノ行の路線と神戸行きの路線(京都ー神戸)では、まるっきり変ってくるとおもいます。

  7. かつての京阪か阪急が名古屋急行電鉄構想を復活するべきかと思います。名古屋と大津・京都を直線の私鉄で結んで欲しいですね。金山なら名城線右回りと乗り入れできれば名港線と名城線左回りと名鉄瀬戸線の乗り入れ構想もね。