「夏」のアルピコ&「冬」の長電、繁忙期の運行「支え合い」へ その切実な背景

長野県を代表するバス事業者、アルピコ交通と長電バスが、繁忙期にお互いの仕事を肩代わりする形で協力関係を組みます。両社で人手不足を埋め合わせるといいますが、運行はどのように変わるのでしょうか。

共同運行路線で仕事量調整、貸切や高速バスへ

 バス業界の人手不足は全国的な課題です。運転士の不足を理由に、路線バスの縮小や減便を実施する事業者も出てきています。

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アルピコ交通の高速バス。同社は松本を拠点とする(2017年5月、中島洋平撮影)。

 そのようななか、長野県を代表するバス事業者である松本市のアルピコ交通と、長野市の長電バスが、繁忙期にお互いの運行を支え合う協力体制を組むといいます。長電バスにこれを提案したというアルピコ交通に話を聞きました。

――具体的にはどのような取り組みなのでしょうか?

 長電バスさんと共同運行している路線バス2路線について、繁忙期に運転士ふたり分の仕事をお互いに肩代わりする形で調整します。当社の繁忙期である夏季には、各路線につき当社の運転士を2人減らし、そのぶん長電バスさんに増員いただきます。長電バスさんの繁忙期である冬季にはその反対のことを行い、両社とも減らしたぶんの要員を貸切バスや高速バスの運行に充てます。

 対象は、長野市からの委託路線である市中心部の循環バス「ぐるりん」、および長野バスターミナル・長野駅と市近郊の保科温泉を結ぶ「大豆島保科温泉(まめじまほしなおんせん)線」です。それぞれ、運輸支局に運行計画の変更を届け出たうえで行います。

――なぜ提案したのでしょうか?

 山岳観光路線が多い当社は夏が忙しくなりますが、長電バスさんは志賀高原のスキー輸送などで冬に忙しくなります。ともに仕事をするなかで、お互い埋め合わせできないかと思ったことがきっかけです。とはいえ、乗合バス事業を行うには新たに路線免許を取得したり、運転士の訓練を行ったりするために手間とお金がかかります。そこで、両社で免許を持つ共同運行路線で調整しようということになりました。

――人手不足のために運休や減便が発生しているような事態があるのでしょうか?

 現在のところそのようなことはありません。ただ、人手が足りなくなる繁忙期には、貸切バスの受注を減らしたり、高速バスの続行便(2号車以降)運行を抑えるなどして調整していました。

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