クルマのカラートレンドどう決まる 今年の傾向は世界共通、日本では「グレーがくる」(写真11枚)

アジアはグレー推し 日本人はグレーを見る目が高い?

 2018-19年の社会や、世界共通のキートレンドカラーとしてのグレーとブルーを踏まえ、BASFでは今回、65の自動車カラーを発表しました。このなかでさらに、各地域別に重要なキーカラーが設定されています。

 アジア・太平洋地域のキーカラーは「Gray Ambivalence」(グレー・アンビバレンス)。高度な技術が日常に融合していることをギラギラ輝くメタリックグレーで表した「未来のグレー」だといいます。一方で中国向けのキーカラーとしては、生活の質を追求する社会背景を踏まえ、「Golden Sheen」(ゴールデン・シーン)というベージュグレーが提示されました。

 グレー系はEMEA(欧州・中東・アフリカ)のキーカラーとしても選ばれています。「Gray Ambivalence」よりもマットで暗めのグレー「The Urbanist」(ザ・アーバニスト)がキーカラーとされ、デジタルな世界から少し距離を置こうとするトレンドを色合いで表現したとのこと。松原さんによると、欧州ではマットカラーが主流になりつつあるそうです。

 一方で北米のキーカラーとしては、着色アルミを使用して鮮やかさを高めたというブルー「Atomium Sky」(アトミウム・スカイ)選ばれました。BASFが北米のキーカラーにブルーを選ぶのは2年連続で、この地域でブルーの人気が高まっているといいます。

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アジア・太平洋地域のキーカラー「Gray Ambivalence」(画像:BASFジャパン)。
アジア・太平洋地域のキーカラー「Gray Ambivalence」(2018年6月20日、中島洋平撮影)。
BASFが2018-19年のトレンドを踏まえて発表した65色(画像:BASFジャパン)。

 松原さんによると、世界的に地味めな色が選ばれているかといえば、そうでもなく、特に中国などでは自己の表現としての個性的な色が、エンドユーザーのあいだで選ばれはじめているとのこと。「日本でもどちらかといえば地味な色が好まれましたが、軽自動車やコンパクトではかなり個性的なものも出てきています。北米でも、重厚感を求めるセダンから、SUVの人気が高まっていったことで、よりプライベート感を表現できる色が見られるようになりました」とのこと。

 加えて昨今はカーシェアや配車サービスなどの登場で、クルマに対する価値観の幅が広がっているといいます。松原さんによると、カラーの幅を広げること、そして細かな意匠性を高める技術が重要になっているそうです。

 ちなみに、日本のエンドユーザーには白、黒が人気ですが、松原さんは今後、グレー系の存在感が高まってくると予測します。「江戸時代にも『ねずみ色』など色調ごとに細かく名前が付けられていたように、日本人は『グレーを見る目』が高いはずです。新しいグレーがきっと増えることでしょう」と話します。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 日本では自家用車を一台しか維持できない家庭の場合「親戚の法事に行く時でも叱られない色」っていう基準で選ぶしかないから、地味な車が好きというよりも仕方なくそういう車に乗っている感じだろ。