アメリカ宇宙軍創設、実際のところは? そのお仕事の中身と実現の可能性
宇宙軍は1日にしてならず 前途多難なワケとは
こうした意見があるものの、実際のところ宇宙軍の創設は非常に難しいというのが現状です。
まず、宇宙軍という陸軍、海軍、空軍などに続く新たな軍種の創設には、議会からの承認が必要です。つまり、いくらトランプ大統領が宇宙軍創設を国防総省に命じたとしても、議会からの承認がなければそれ自体には何の意味もありません。
また、当の国防総省やアメリカ軍自体が宇宙軍の創設に反対しています。たとえば、マティス国防長官は2017年に議会に送った文書のなかで、空軍から切り離す形での宇宙軍創設に反対するという自身の主張を伝えています。加えて、アメリカ空軍のウィルソン長官もかねてから宇宙軍創設に反対しています。
なぜ、こうした反対意見が出てきているのでしょうか。それは、宇宙軍が創設されることによって生じる弊害が原因です。
宇宙軍を新設するということは、それを指揮する司令官をはじめとして軍人や官僚を大量に雇用しなければならなくなります。また、宇宙軍用の新制服なども新たに調達することになるかもしれません。これには莫大な費用が掛かります。また、宇宙軍が空軍から独立すれば、全く新たな組織が国防総省のなかに誕生することになるため、組織がより複雑化してしまいます。こうした理由から、国防総省やアメリカ軍からは宇宙軍に関して支持を集められていないというのが現状のようです。
【了】
アメリカ軍のシステムを考えればフォースユーザに当たる統合軍の機能別で戦略軍が今でも宇宙系の仕事をしている。
ここに書いているのはフォースプロバイダーの話で実は空軍の宇宙コマンドだけではなく陸軍宇宙・ミサイル防衛コマンドや陸軍部隊戦略コマンド、海兵隊戦略コマンド、海軍艦隊総軍(戦略潜水艦)、空軍地球規模攻撃軍団があって、お仕事をするユーザーが必要とする戦力をプロバイダーが準備、訓練をすると分けられている。
その辺を理解してないとぐちゃぐちゃな話になるし、宇宙軍が独立して各軍から取り上げると、訓練/準備が分かれてぐちゃぐちゃになるだろうな。
マティス国防長官が懸念しているのはそういう点に関して懸念してるのだろう。
戦略原潜の乗組員を海軍と宇宙軍が教育するのは二度手間という話になる。