数減らす「国鉄型」車両 ひと昔前の音や乗り心地が新たな「価値」に
国鉄型車両の旅は「レトロな旅」に
国鉄型の車両はたとえリニューアルをしていたとしても、車内設備や性能は最新の水準と比べるとどうしても一歩譲るところがあります。
しかし一方で、昔ながらのスタイルに「懐かしさ」を感じる人も少なくありません。国鉄時代はありふれたインテリアであった青いモケットのボックスシートに座って車窓を楽しむ旅行は、「レトロな列車旅」としての価値が生まれています。
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千葉県のいすみ鉄道や山口県の錦川鉄道などでは国鉄型のディーゼルカーで「国鉄時代の雰囲気を楽しむ旅」をアピールして好評を得ています。
また、JR東日本新潟支社では国鉄型のキハ40形・キハ47形ディーゼルカーに国鉄急行色(クリーム+朱)を塗装したり、飯山線ではJR時代に登場したキハ110形ディーゼルカーの一部車体デザインを国鉄時代の配色に変えたりといったことも行っています。これらの車両は厳密にいうと「国鉄時代の再現」ではありませんが、国鉄時代の雰囲気を気軽に楽しめる車両として一定の人気があります。
JR四国では2018年6月、国鉄時代に造られた121系電車の旅行商品「跳ねろコイルバネ! 唸れMT-55!! 121系四国色でゆく復刻サンシャトル号ツアー」を発売。昔であればどちらかというとマイナスのイメージが強かった国鉄型車両の乗り心地が、いまでは希少となり商品価値となる時代となりました。ちなみに「MT-55」はモーターの種類です。
静岡県の大井川鐵道が運行するSL急行は、冷房もなければドアも手動という、昔の客車列車の旅気分を味わえる貴重な存在です。
これらの車両には目を見張る最新設備などはありませんが、30年以上前の時代にタイムスリップし、「非日常」の気分を楽しめるのが価値です。これからも国鉄型車両がますます注目され、それを楽しむ旅行商品や撮影イベントも増えていくかもしれません。
【了】
※一部内容を修正しました(7月11日17時00分)。
Writer: 児山 計(鉄道ライター)
出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。
錦川鉄道は山口県の鉄道では?
ご指摘ありがとうございます。訂正いたしました。