「青春18きっぷ」と「北海道&東日本パス」どっちを使う? 似てるようで大きな違いも
JR旅客6社が発売している「青春18きっぷ」と、JR北海道、JR東日本のエリアで使える「北海道&東日本パス」。どちらも普通列車が乗り放題のきっぷですが、利用範囲のほかにも違いがあります。どちらを使うのがいいのでしょうか。
どちらも普通列車が乗り放題だが…
「青春18きっぷ」はJR線の普通列車が乗り放題の企画きっぷとして知られていますが、JR北海道とJR東日本は「18きっぷ」のほか、「北海道&東日本パス」という普通列車用の企画きっぷも発売しています。
「北海道&東日本パス」はJR北海道とJR東日本のエリアに限定されていることを除けば「18きっぷ」と似ていますが、全く同じというわけでもありません。「18きっぷ」とは何が異なり、どのようなケースでは「北海道&東日本パス」の方がメリットがあるのでしょうか。
発売、利用シーズンは「18きっぷ」「北海道&東日本パス」ともに春、夏、冬の3シーズンです。ただし、各シーズンの発売期間と利用期間は「北海道&東日本パス」の方が長く、「18きっぷ」が利用できない時期でも使える場合があります。
2018年夏シーズンの場合、「18きっぷ」は7月1日から8月31日までの発売。利用できる期間は7月20日から9月10日までです。一方、「北海道&東日本パス」の利用期間は7月1日から9月30日までで、「18きっぷ」の利用期間に比べ大幅に長くなっています。発売期間も6月20日~9月24日で、「18きっぷ」より早く購入できるだけなく「18きっぷ」発売終了後も購入できます。
発売額は「18きっぷ」の1万1850円に対し、「北海道&東日本パス」は1000円安い1万850円です。有効期間は「北海道&東日本パス」が連続する7日間。「18きっぷ」は「ひとり1日」を1回とし、これが5回分セットで販売されています。
これを1日あたりの金額で見ると、「18きっぷ」は2370円。「北海道&東日本パス」は7日間フルに使えば1日あたり1550円ですが、4日間だけなら2712.5円で「18きっぷ」より高くなります。北海道と東日本を普通列車で5日以上回るなら、「18きっぷ」より「北海道&東日本パス」を使った方が安くなりそうです。
第三セクター鉄道も乗れる
ただ、「北海道&東日本パス」はあくまで「ひとり1枚で連続する7日間」有効のきっぷ。「18きっぷ」と異なり複数人で使うこともできません。シーズン中に期間を分けて旅行したり、複数人のグループで旅行する場合、「18きっぷ」を使った方が安くなる場合もあります。一方、「18きっぷ」は大人、子ども同額ですが、「北海道&東日本パス」はほぼ半額の子ども用(5420円)も発売されています。親子連れの旅行では「北海道&東日本パス」の方が使いやすいかもしれません。
利用できる列車なども、「18きっぷ」と「北海道&東日本パス」では若干の違いがあります。
「18きっぷ」はJRの鉄道路線と東北エリアのバス高速輸送システム(BRT)、JR西日本宮島フェリーを利用できます。これに対して「北海道&東日本パス」は、きっぷの名前通り北海道、東日本エリア限定。西日本方面を旅行するなら、そもそも「北海道&東日本パス」は選択肢に入りません。
ただ、「北海道&東日本パス」はJRの鉄道路線とBRTだけでなく、第三セクター鉄道の青い森鉄道線、IGRいわて銀河鉄道線、北越急行ほくほく線も自由に乗り降りできます。「18きっぷ」も青い森鉄道線の青森~八戸、青森~野辺地、野辺地~八戸の各区間は通過利用の場合に限り利用できますが、途中の駅では乗り降りできません。この3路線を含む旅行を考えている場合は「北海道&東日本パス」の利用も検討した方がいいでしょう。
乗れる列車は「18きっぷ」「北海道&東日本パス」ともに共通。原則として普通列車(快速含む)に限られています。利用できる座席も普通車自由席だけです。特急列車(新幹線含む)は特急券を追加で購入しても乗れません。普通列車の普通車指定席やグリーン車自由席は指定席券やグリーン券を追加で購入すれば乗れますが、グリーン車指定席はグリーン券を追加購入しても乗ることができません。
北海道の特急が乗れるオプション券も
ただ、「北海道&東日本パス」は北海道新幹線・新青森~新函館北斗間の区間内相互発着に限り、座席を指定しない特定特急券を追加で購入すれば、新幹線列車の普通車(空いている席か立席)を利用することができます。
なお、2018年は「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券」(大人6000円、子ども3000円)が発売されています。「北海道&東日本パス」を所持している場合に利用できるきっぷで、1日に限り北海道新幹線の普通車(空いている席か立席)と、JR北海道の在来線で運転されている特急列車の普通車自由席を自由に乗り降りできます。
とくに北海道の在来線は普通列車の運転本数が少なく、「18きっぷ」よりは「北海道&東日本パス」と「北海道線特急オプション券」を組み合わせて使った方が便利に移動できるかもしれません。ただし、2018年8月1~20日と2018年12月28日~2019年1月6日の各期間は「北海道線特急オプション券」を使うことができません。
ちなみに、「18きっぷ」を所持している場合に限り利用できる「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(大人、子どもともに2300円)も発売されています。こちらは北海道新幹線・奥津軽いまべつ~木古内間と道南いさりび鉄道線・木古内~五稜郭間をひとり片道1回だけ利用可能です。
このように、「18きっぷ」と「北海道&東日本パス」は利用できる範囲のほかにも違いがいくつかあります。北海道や東日本を普通列車で旅行する計画を立てている場合は、さまざまな条件を比較して使うきっぷを検討した方がいいでしょう。
【了】
※一部内容を修正しました(7月6日16時48分)
18きっぷではIGRの通過利用はできないはず・・・
花輪線乗車で好摩~盛岡間を途中下車せずに利用する場合も別途IGRの運賃が必要です。
記事が修正されたようですね・・・
コメント削除機能がないみたいなので親コメント残したままで失礼します。
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
青春18きっぷなんて使いたくない。
年配者にはやっぱり大人の休日倶楽部パスだな。
18切符にはないメリットは自動改札が使えることではないでしょうか
途中下車がとっても楽ちんでした。
青春18きっぷ北海道新幹線オプション券、鉄道版の「仏作って魂入れず」の典型例。