記憶に残るあの駅へ 戦前の木造駅舎やかつての新婚旅行の玄関口など12選(写真13枚)

茅葺き屋根の駅や築100年を超える木造駅、かつてイベントや新婚旅行でにぎわった駅など、「記憶に残る」12駅を訪ねます。

洋館風の日光駅は大正生まれ

【本記事は、旅行読売出版社の協力を得て、『旅行読売臨時増刊 昭和の鉄道旅』に掲載された記事「記憶に残るあの駅へ」を再構成したものです】

※ ※ ※

 歴史が息づく木造の駅、異国情緒漂う駅、時代の流れのなかで若者や新婚の夫婦でにぎわった駅。駅は時を刻みながら、さまざまな旅人を迎えてきた。そんな思い出の駅を訪れてみよう。

湯野上温泉駅

 昭和40年代半ばに「幻の村の発見」と報道され、その後、国の重伝建地区に選定された大内宿の最寄り駅。大きな茅葺きの建物が立ち並ぶ大内宿にならい、駅舎としては極めて珍しい茅葺き屋根。季節により、午前の待合室の囲炉裏には火が焚(た)かれ、郷愁を誘う。駅の周りは桜の名所としても知られる。

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茅葺き屋根の湯野上温泉駅(2015年6月、越 信行撮影)。

・福島県下郷町
・会津鉄道会津線
・1932(昭和7)年12月22日開業

遠野駅

 柳田國男の『遠野物語』から民話のふるさととして、1970年代の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーンのときには大勢の若者でにぎわった。ブロックを積み上げ、屋根に瓦をいただいた駅舎は、1949(昭和24)年に建てられ、1995(平成7)年に改装。季節により、「SL銀河」が発着する。

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遠野駅(2002年8月、越 信行撮影)。

・岩手県遠野市
・JR釜石線
・1914(大正3)年4月18日開業

日光駅

 現在の駅舎は1912(大正元)年築。国際観光地らしくエキゾチックな洋館風の構えで、ひさしの格天井や2階のシャンデリアなど、内部も凝った造りになっている。修学旅行や林間学校の生徒たちも降り立ってきた。1982(昭和57)年まで、上野駅から直通の急行「日光」が運行されていた。

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洋館風の日光駅(2004年7月、越 信行撮影)。

・栃木県日光市
・JR日光線
・1890(明治23)年8月1日開業

軽井沢駅

 1997(平成9)年、新幹線開業の際に駅舎を一新。三角屋根のモダンな橋上駅として生まれ変わった。旧駅舎は1912(大正元)年に開業した瀟洒(しょうしゃ)な洋風建築。現在は解体移築・改装され、しなの鉄道旧駅舎口として利用されている。1963(昭和38)年まで国鉄で唯一のアプト式が存在した。

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軽井沢駅(2003年5月、越 信行撮影)。

・長野県軽井沢町
・JR北陸新幹線、しなの鉄道線
・1888(明治21)年12月1日開業

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1件のコメント

  1. そういや「遠野駅駅舎を建て替えないで保存してください!で署名してください」てのが流れてきたな(2022年度にも解体に着手することでほぼ決まったそうですけど)。