ホームの発車案内に「あと○分」表示を導入 海外では多い方式 東京メトロ銀座線(写真11枚)
東京メトロは新しい発車案内装置を一部の駅に導入しました。所定の発車時刻だけでなく、列車がやってくるまでの「残り時間」を案内しています。なぜこのような表示を導入したのでしょうか。
8月中に浅草以外の全駅に導入へ
東京メトロは銀座線の駅のホームに新しい発車案内装置を導入。列車がやってくるまでの「残り時間」を案内するようになりました。

具体的には、列車がやってくるまでの残り時間を「あと○分」と表示。列車が駅に近づくと所定の発車時刻の表示に切り替わり、あわせて「電車がまいります」と表示されるようにしています。
東京メトロはなぜ、発車までの残り時間を案内するようにしたのでしょうか。同社の広報部に話を聞きました。
――残り時間の案内を導入しているのはどこの駅でしょうか。
銀座線の一部の駅で残り時間を案内しています。2018年8月9日(木)の時点で、新しい発車案内装置は田原町、稲荷町、上野広小路、末広町、神田、銀座、赤坂見附、渋谷の8駅にあります。平日は7時から21時まで、土休日は8時から20時30分まで、渋谷駅を除いて残り時間を案内しています。
――銀座線のほかの11駅や、ほかの路線にも導入するのでしょうか。
銀座線は残り11駅のうち、浅草駅を除く10駅で8月中に残り時間を案内できる装置を設置します。浅草駅は9月以降になりますが具体的な設置時期は未定で、設置後も残り時間は表示せず発車時刻を終日表示します。ほかの路線への導入は計画していません。
――なぜ残り時間の案内を導入したのでしょうか。
分かりやすい案内のためです。発車時刻だけで案内した場合、残り時間を確認するためには発車時刻と現在時刻を照らし合わせる必要があります。「あと何分」を表示すれば、ぱっと見てすぐに残り時間が分かります。
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ちなみに、海外の地下鉄では残り時間による案内が一般的で、中国や台湾などの地下鉄では、秒単位で残り時間を表示する案内装置も見られます。東京メトロは「海外などの事例も参考にしました。今後も表示方法の検討を重ね、案内方法の改善を図っていきたいと思います」としています。
【了】
Writer: 草町義和(鉄道ライター)
1969年、新潟県南魚沼市生まれ。鉄道趣味誌で列車の乗車ルポや幻の鉄道(未成線)の散策記などを多数発表してきた。著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。趣味はアサガオ、ゴーヤの栽培。
既に広電の一部電停でも導入されている。
他、バスターミナルなどの発車案内でも導入されているところがある。