都県境越え、実に11回! 小田急小田原線と蛇行する境の謎(画像10枚)

小田急小田原線は、東京都と神奈川県の境を何度も越えます。その数、実に11回。越境が連続する区間はどのような所なのでしょうか。実際に歩きました。

政治力で出現した「都県境連続区間」

 小田急線都県境のハイライトが、鶴川~玉川学園前間のうち、わずか120m区間に連続する5つの都県境です(都県境6~10)。ここでは、小田急線が都県境を越えているというよりは、都県境の方が鉄道用地上を蛇行しており、上り線の部分だけをまたいでいる部分もあります。

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複数の都県境を1枚の写真に収められるマニアックな都県境9~10。川崎市麻生区の岡上地区は丘陵地の営農団地もあり散策にお勧め(2018年7月、栗原 景撮影)。

 小田急線は、なぜここを通っているのでしょうか。それは、野津田村(現在の町田市の一部)出身の政治家、村野常右衛門の力が働いたためといわれています。

 村野常右衛門は明治から大正にかけて活躍した政治家のひとりで、自由民権運動などを通じて、小田原急行鉄道創始者の利光鶴松とも長年の親交がありました。小田急線建設時にはすでに一線を退いていましたが、鉄道用地の買収でも地主とのあいだに立つなど、大きな影響力を持っていました。

 小田原急行鉄道は、当初の計画では柿生駅からまっすぐ南下、岡上地区を縦断して町田方面に向かう予定でした。しかし、村野は「それでは遠回りになる」と反対、ルートを東京府側に変更させたのです。鶴川村の西側には標高80mほどの丘陵地があり、谷間の農耕地だった府県境付近が鉄道に好適と判断されたのでしょう。府県境に沿ってまっすぐ線路が引かれた結果、細かく蛇行する府県境を何度もまたぐことになりました。

 この「都県境連続区間」は、高台になっている線路北側から眺めることができます。線路上に都県境は描かれていませんが、見晴らしの良い絶好のトレインビュースポット。鶴川駅周辺にはカフェや居酒屋も多く、手軽な散策に好適です。

 長い歴史から生まれた複雑な都県境と、都市間を最速で結ぶため、既存の街道筋にこだわらずに敷かれた高速鉄道。ふたつの歴史が絡み合い、世にも珍しい「都県境を何度も何度も越える鉄道路線」が誕生したのです。

【了】

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コメント

4件のコメント

  1. 町田市を神奈川県に編入しろと?

    • 町田市は昔、神奈川から東京都へ編入されたそうですよ

  2. むしろ川崎や横浜が東京都じゃないほうがおかしいって話もあるがな……

  3. 町田は神奈川県ですからな。

    横浜ジャイアニズムの支配下地域の特色も強いし。

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