関門海峡歩いて渡れる海底トンネル、相当な維持費がかかっても無料のワケ(写真19枚)

関門海峡には歩行者用のトンネルが走っていますが、その維持には相当な費用がかかっているといいます。にもかかわらず歩行者の通行料は無料、ランニングコースとして賑わいを見せてもいます。そこには関門国道トンネル特有の事情がありました。

平家終焉の地のさらに下に

 本州と九州のあいだにある関門海峡の両岸は現在、渡船(関門汽船)、鉄道(JR在来線・新幹線)、関門橋(高速道路)、関門国道トンネル(国道2号線)で結ばれていますが、このうち関門国道トンネルの一部で、車道の下を通る「関門トンネル人道」(以下人道トンネル)は「車道」に対する「人道」で、つまり歩いて渡れる海底トンネルです。

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歩いて関門海峡を渡れる「関門トンネル人道」。ランニングコースとしても近年利用が増えているという(加藤博人撮影)。

 人道トンネルは1958(昭和33)年に車道トンネルと同時に開通し、今年(2018年)で60年を迎えましたが、意外な利用法を楽しむ人で大混雑していました。

 本州(下関市)と九州(北九州市)を結ぶ関門国道トンネルの建設開始は、戦前にさかのぼります。試掘立坑工事が開始されたのは1937(昭和12)年。戦争のために工事が中断されましたが1952(昭和27)年に再開し、1958年3月10日に車道(3.4km)と人道(780m)の2層構造となる関門国道トンネルが開通しました。

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人道トンネル入り口は関門橋のすぐ近く。付近には攘夷戦争などに使われた大砲のレプリカなどもある(加藤博人撮影)。
人道利用者をはじめ観光客用に用意された無料駐車場は午前6時から22時まで利用可能(加藤博人撮影)。
関門トンネル人道の入口。ここからまずはエレベーターに乗る(加藤博人撮影)。

 人道トンネルの本州側(下関側)は関門橋を見上げるみもすそ川にあります。源平の戦いで平家が敗れた壇ノ浦もこのエリアで、出入口前のみもすそ川公園には、明治維新のきっかけとなった攘夷戦争や下関戦争で使用された大砲を原寸大に復元したものがあり、観光スポットにもなっています。門司側は和布刈(めかり)山の中腹にあり、観光エリア「門司港レトロ」へのアクセスも良好です。なお、歩行者と自転車、原付(原動機付自転車)は人道を利用でき、料金は歩行者無料、自転車・原付は20円です。自転車や原付に乗ったままの通行は固く禁じられており、そのまま乗って行こうとすると監視室より注意のアナウンスが流れてきます。

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コメント

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10件のコメント

  1. 配信不要です。
    もう送らないで下さい。

    • ほんとこれ

    • いらんコメントしないでください。

    • おもろい

  2. 2回ほどトンネルの工事期間で関門橋を安く利用できました。
    今、壇之浦パーキングの展望台を兼ねた売店が閉鎖されて別の店舗で営業しているようですがリニューアルか完全な閉鎖なのでしょうかね
    人道トンネルはツアーで歩いた記憶があります。
    潮の急流を往き来する船の真下を歩くのも良し、高い場所から眺めるのも良し
    巌流島などからは下関の造船所で建造中の船や進水式、就役を待つピカピカの船を観ることもできますし
    観る処満載で武蔵、小次郎どころではありませんでした。w

  3. そんな秘密ごとがあったのか

  4. >門司側は和布刈(めかり)山の中腹にあり、観光エリア「門司港レトロ」へのアクセスも良好です。
    この人、門司側の地上に出たのだろうか。
    和布刈の入口は、下関側から見える場所で、海岸の道の所なんだけど。
    和布刈山の中腹にあるのは、車の排ガスの換気口。

  5. 知らないから聞きます。
    距離はどれくらいですか?
    私の探し方が悪いのか記事からはわかりませんでした。

    • ご指摘ありがとうございます。追記いたしました。

  6. そろそろ、維持費の回収も兼ねて歩行者も自転車通行料と同じぐらいの通行料を採っても良いような(年期のエレベーターの保守費も在るもんで)