50年前の車両をあと30年使う? 地方の鉄道が東急の中古車を導入するワケ
「新しい」と「長持ち」の組み合わせ
養老線の古い車両はなぜ、同じ時期に製造された東急の古い車両に置き換えられることになったのでしょうか。養老線管理機構に話を聞きました。
――いつごろから車両の更新を考えるようになったのでしょうか。
去年(2017年)ぐらいからです。
――7700系の導入目的は現在使っている車両の老朽化対策とのことですが、7700系も現在の車両とほぼ同じ時期に製造されています。
7700系の製造時期は確かに現在の車両と同じです。しかし、電装部品は約30年前に交換されていて、現在の車両に比べ新しくなっています。
――車体は製造当時のままで交換されていません。
車体は現在の車両と違ってステンレス製ですから長く使えます。この点も7700系を購入するポイントになりました。
――現在使っている車両を7700系に置き換えることによって、利用者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
一部の車両は改造してクロスシートや車椅子スペースを設けます。これによりサービスの向上が図られます。
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7700系は製造された当初、7000系(初代)を名乗っていました。しかし、1987(昭和62)年から1991(平成3)年にかけてモーターや制御装置などの電装部品を新しいものに交換し、これにあわせて形式名を7700系に変えています。このため、走行装置は現在の車両よりも新しくなっているのです。
一方、車体も現在使っている車両と異なり、ステンレスを採用。ステンレスは腐食に強く、かなり長い期間使っても劣化しません。長持ちするということは、古い車両を新しい車両に置き換える間隔も長くなり、長い目で見れば車両の購入費用を抑えることができるといえます。
東急としては良い宣伝になるな
私が小さい頃によく乗ったのが、東急7000系でした。それは日比谷線にも乗り入れいたからです。しかし7700系に改造してからは、乗らなくなりましたが、2〜3年前に引退迄後僅かだと知り、写真を撮りました。
足がけ56年間に渡って東急全線で活躍した7700系も、今月いっぱいで引退します。
長い間、本当にお疲れさまでした。