ドライブレコーダーどう選ぶ 東名「あおり」事故から1年、高まる「機能」へのニーズ

あおり運転対策には何が有効か

――あおり運転の対策を考えるうえでは、どのような機能があるとよいのでしょうか?

 あおり運転の社会問題化以降、車両の前後にカメラを取り付ける2カメラタイプが注目されています。あおり運転被害の多くは、後ろからあおられるか、前でノロノロ運転されるかがきっかけとなるケースが多いためです。事故時の証拠を残すことまで考慮すれば、横からの幅寄せ、衝突にも対応できる360度撮影タイプも注目されています。

 2カメラタイプの売れ筋は店頭で税込3万円くらいのモデルですが、360度撮影タイプになると5万円くらいまで価格が上がります。ただ、取り付け費用においては、前後にカメラを装着するタイプと比べて1か所で済みますので、実質的には2カメラモデルにプラス1万円くらいでしょう。

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 前出のGfKジャパンが2017年12月に発表した調査結果には、「あおり運転の被害に遭わないためにドライブレコーダーに求める機能」という項目で約1万3500人からの回答がまとめられています。それによると、「前後、後方の両方にカメラ」が最も高く55%、「夜間・暗所対応」が47%、「360度カメラ」が41%と続いており、同社は「今後の普及過程ではより全方位的な映像記録ができる製品の増加が見込まれる」としています。

 現状で最も高価格帯の商品である360度撮影のドライブレコーダーとは、どのようなものでしょうか。市販用では日本初となる360度撮影ドライブレコーダー「ダクション360」を2017年2月に発売したカーメイト(東京都豊島区)によると、フロントガラス上部に取り付けるもので、サイドやリアは車室越しの映像になるものの、継ぎ目なく周囲の様子を記録することができるといいます。「発売当時は前方だけを撮影するモデルが多かったのですが、実際の事故は車両の後ろや横からのケースも多いことから、360度撮影可能なモデルを開発しました」とのこと。

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「ダクション360」の記録映像。車室越しに360度撮影する(画像:カーメイト)。

 カーメイトは、あおり運転に対する360度撮影のメリットとして「あおっているクルマが横からすり抜けて逃げていくシーンも途切れず撮影できる」「運転席も撮影されるので、自分に過失がなかったことも証明できる」点を挙げます。また、駐車監視機能においても、隣のクルマのドアが開いて自車のドアに傷をつけてしまう、いわゆる「ドアパンチ」の記録などに有効だそうです。

 ただし360度撮影モデルには、一部を切り出すと画像が荒くなってしまうというデメリットも。このため、2018年10月発売予定の新商品「ダクション360 S」では、360度録画と同時に、前方だけ録画する日本初の「デュアルレック機能」を搭載し、ナンバーなどの視認性を向上させているといいます。

【了】

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