敦賀~博多貨物定期船で物流は変わるか 海上輸送の欠けた1ピース、近海郵船の勝算は

絶妙すぎる敦賀の立地

 3つ目の「主要都市へのアクセス向上」とは、文字通りの効果ですが、実際のところ敦賀という立地の絶妙さが改めて見直されることになるかもしれません。北陸各地はもとより、関西圏、中京圏の両方にほど近いうえに高速道路や鉄道が整備されていて、アクセスは容易です。さらに2014年開通の舞若道により、舞鶴(京都府)までのアクセスもスムーズになりました。

「敦賀という立地が、本州のいちばんクビレているところでございまして、太平洋側とのリンクがしやすく、日本海側の窓口としてはいちばん適している立地といえます」(近海郵船 中村さん)

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近海郵船の海上昌二 取締役総務部長(写真左)と中村尊子 定航マーケティング室副部長(2018年9月26日、乗りものニュース編集部撮影)。

 近海郵船による敦賀~博多間のRORO船定期航路運航は、2019年4月より週3便にて開始され、同年夏には日曜日を除く毎日運航(週6便)体制に移行する予定です。使用船舶は9800総トン級のRORO船で、トレーラー積載台数(13m換算)は約120台。両港間635kmの航路をおよそ19時間で航行するとのことです。

 ちなみに同社による敦賀~苫小牧航路は、日曜日を除く週6便が定時運航されており、およそ24時間かけて、霧のなかでも視認しやすい鮮やかなオレンジ色の船が両港を結んでいます。たとえば苫小牧から博多まで向かう場合、20時30分に苫小牧を出発、途中敦賀で船を乗り換え、翌々日の17時に博多へ到着することができます。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 素人ですが。

    西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)で高速道路が寸断された実例も有りますし、今後の発展に期待したいです。

  2. らぶ、べるの後継のニューらぶ、ニューべるも客室を簡素化したRORO寄りの生き残り作戦で同九越、東日本の日本海航路に就航しましたが合理化の並みには勝てずに、さんふらわあ商標の大洗、苫小牧の深夜便に転属されましたね。
    不幸にも転属先の会社の航路では火災に見舞われましたが道内の造船所にて修復工事を経て復活しました。
    確かに言われるほど日本海は荒天ばかりではなく逆に好天でも通年うねっている太平洋側より計画はたてやすいのではないでしょうか
    日本海側から道内を航路の直線で結べば太平洋側より優位なのは確かでしょうね
    例えば新日本海フェリーの舞鶴と小樽航路は高速フェリーを用いることで所要20時間を実現しましたし、列車にしても昔は大阪と青森を直通する昼と夜の列車がありました。
    また、海のバイパス構想で発足した瀬戸内海航路などは春先の濃霧はあるものの通年時化も少なく安定輸送と言うところでは道路にひけをとらない輸送手段だとおもいますね。
    課題としては互いの手段が気象や災害に影響を受けた時の振り替え輸送の提携の問題でしょうかね