日本唯一のヘリコプター定期航路 わずか9席の島々を結ぶ生活路線、その利用実態とは
「乗り継ぎ」で移動圏がグッと広がる
――どのような人が、どのような目的で利用されていますでしょうか?
ご利用は島民の方や、公務員の方が中心で、島と島の移動だけでなく、ほかの航空便や船便への乗り継ぎにも使われています。たとえば青ヶ島から八丈島へ向かい、そこからANAさんの旅客機に乗り継ぎ、その日のうちに東京へ通院する人もいらっしゃいます。船は外洋を通るので揺れが大きいこともあり、高齢の方からはヘリで移動が楽になったというお声もいただきますが、やはり船と比べて料金が高いこともあり、船が運航されるとわかると予約をキャンセルしてそちらを利用されることもあります。
――荷物は運べるのでしょうか?
旅客機と違って貨物室がほとんどないため、受託手荷物は受け付けていません。郵便物輸送などは、船の欠航が続き郵便物が溜まってしまったときに、貨物便としてチャーターいただいています。しかしながら、「船が欠航してしまったため、子供たちが楽しみにしているケーキを何とか届けたい」といったご依頼など、最低限の手荷物とともに真心をお届けする役割も担っています。
――運航で気を付けている点などはありますか?
安全の確保が最優先ですが、お客様の快適性確保も重要な課題です。機材はキャビンの静寂性や快適性を高めているほか、クルーの服装や接客マナーについても気を配っています。
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東邦航空によると、ヘリは「有視界飛行」が基本で、ガスや雲の中では飛べないものの、就航率は90%以上とのこと。また、開業から現在まで25年間、無事故で運航を続けているといいます。
ちなみに、かつてはここ以外にもヘリによる定期航路が存在。バブル期には成田空港~羽田空港~横浜間に「シティ・エアリンク」もありましたが、離島と違って本土では運航ルートなどに制約があるうえ、運航コストも大きいことから採算が取れず、姿を消しました。
運航コストの問題は「東京愛らんどシャトル」も同様で、都からの補助金で成り立っている部分が大きいといいます。一方で、都とは別に国からも離島振興関係の補助金が拠出され、2018年10月15日(月)からは就航する島の住民を対象に、運賃が4割引きとなる「島民割引」も導入されます。
【了】
カワサキヘリコプタシステムの神戸~コウノトリ但馬空港~湯村温泉線もヘリ好きにはロマンがあるなあ。
一部(特に北海道民)のイメージは「逆噴射」だが・・・これにこりずにぜひまた。利便性や採算ガン無視の趣味だとわかってはいるけれど。