東急大井町線の新座席「Q SEAT」を体験! ほかとは違う「座れる通勤列車」だった(写真46枚)

東急が大井町線と田園都市線に導入する新しい有料座席指定サービス「Q SEAT」の車両を公開しました。近年増えている「座れる通勤列車」とは「ひと味」違うのが特徴。12月から運転されます。

7両編成の1両だけ指定席に

東急大井町線の新しい座席指定車「Q SEAT」(33秒)。

 東急電鉄は2018年11月10日(土)、大井町線、田園都市線に導入する通勤客向けの有料座席指定サービス「Q SEAT(キュー・シート)」の車両を報道陣に公開しました。

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報道陣に公開された東急6020系の「Q SEAT」車両(2018年11月10日、草町義和撮影)。

 今回公開されたのは、大井町線の新型車両「6020系電車」の3号車に組み込まれた「Q SEAT」用の車両です。車体はオレンジ色で装飾され、前後の車両とは異なる座席指定車両であることが分かりやすくなっていました。

 車内に入るとクロスシート36席とロングシート9席が並んでいました。クロスシートはロングシートに転換できる機能を搭載。座席指定サービスを提供しない列車ではロングシートになります。このほか、電源コンセントやカップホルダーを設置。無料のWi-Fiサービスも提供されます。

「Q SEAT」が導入されるのは、平日の19~23時台に大井町駅を発車する急行5本。旗の台、大岡山、自由が丘、二子玉川、溝の口、鷺沼、たまプラーザ各駅に停車し、田園都市線の長津田駅まで直通します。「Q SEAT」車の利用時のみ、運賃とは別に指定料金(400円均一)を払う必要があります。

 近年は西武「S-TRAIN」や京王「京王ライナー」など、通勤客向けの座席指定列車の導入が相次いでいます。いずれも通勤型電車の車内に、クロスシートに転換できる座席を設置。編成中の全ての車両が指定席車で、「座れる通勤列車」として運行されています。

 一方、東急「Q SEAT」は編成中の1両のみ指定席車。前後の車両は運賃だけで乗れるロングシートです。東急鉄道事業本部の北野喜正課長補佐は「需要ですとか、ほかの車両や列車への影響、編成全部を指定席にすると運行頻度が確保できないなどの課題を社内で相当議論しました。まずは編成中1両だけサービスさせていただこうと考えました」と話していました。

「Q SEAT」の営業開始は12月14日(金)の予定。ただし「Q SEAT」車を組み込んだ6020系は11月中旬から通常の列車で営業運転を開始します。

【了】

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Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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コメント

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3件のコメント

  1. 京王ライナーも土休日は特に需要がないから1両だけ有料にして後、無料にすれば良いと思うよ。

  2. \400と言う価格設定で、はたしてどれだけの利用者がいるか注目ですね。
    土休日のSトレインみたく、利用者皆無にならなければ良いけど。

  3. いよいよ東急大井町線6020系に、有料座席指定サービスが、年末に登場しますが、1両だけなのは、少し寂しいです。
    現在大井町線で使用されてる8500系も、田園都市線・半蔵門線で使用された2000系に変わり、数年後には、8500系も引退するため、写真撮影なら、引退間際だと混雑が予想されるため、今のうちをおすすめします。