自動運転車2台を1人で遠隔運用 福井で世界初の実証実験
国土交通省と経済産業省が福井県内で、「自動運転レベル4」相当の車両を使い、1人の遠隔ドライバーが2台の自動運転車両を運用する実証実験を始めます。
「自動運転レベル4」相当の車両を使用
国土交通省と経済産業省は2018年11月14日(水)、「自動運転レベル4」相当の車両を使って、1人の遠隔ドライバーが2台の自動運転車両を運用する世界初の実証実験を行うと発表しました。
産業技術総合研究所が開発した自動運転小型電動カート(定員6人)を使い、京福電鉄永平寺線の廃線跡を利用した「永平寺参ろーど」の一部区間約2km(福井県永平寺町)で、19日(月)から実施。遠隔型自動運転の技術や操作の検証を進めます。
政府は、最寄り駅などから最終目的地までを自動運転移動サービスで結ぶ「ラストマイル自動運転」を2020年度に実現するという目標を掲げています。この実現に向けて、国土交通省は経済産業省と連携し、石川県輪島市(2017年12月)、沖縄県北谷(ちゃたん)町(2018年2月)、福井県永平寺町(同年4月)、茨城県日立市(同年10月)で実証実験を行ってきました。
これまでの取り組みでは、1人の遠隔ドライバーが1台の自動運転車両を遠隔操作・監視してきましたが、今回は「自動運転レベル4」相当の車両を用いて、1人が2台を遠隔操作・監視します。「レベル4」は、システムがすべての運転タスクを実施(限定領域内)するものですが、現在、日本の公道で「レベル4」の走行実験は基本的に認められていないため、今回の実証実験ではドライバーが乗車して、ドライバーの責任のもと自動運転を行う「レベル2」で行われる予定です。
実証実験には、産業技術総合研究所をはじめヤマハ発動機、日立製作所、慶應義塾大学SFC研究所、豊田通商などが参加します。
【了】
遠隔ドライバーが寝てないか監視する人が必要