短縮されつつある国道の「冬季通行不能区間」 しかし区間数は増加のワケ
道路の除雪が行われず、一定期間ずっと通行止めになる「冬季通行不能区間」。国道ではこうした区間の総延長が少しずつ短くなっている一方で、区間数としては増加しています。
バイパス整備で一気に解消することも
積雪地域を中心に、「冬季通行不能区間」のある道路が存在します。前後に設けられたゲートが期間中ずっと閉じられるなどして、除雪が行われず、一般車の通行ができなくなる区間です。
国土交通省によると、国道のうち都道府県が管理するもの(補助国道)においてこのような区間は、2017年時点で126区間、959kmにおよぶといいます。2006(平成18)年には115区間、1032kmだったといい、区間数は増えているものの、総延長は減少しているそうです。同省の道路防災対策室に話を聞きました。
――どのような区間が冬季通行不能になるのでしょうか?
交通量が少ない割に、除雪が困難な箇所で導入されている傾向です。国が直接管理する国道ではほとんどありませんが、補助国道においては各都道府県が独自に設定しています。
――解消には何が必要なのでしょうか?
スノーシェッド(雪覆い)などの雪崩防止対策を講じて道路を改良するほか、除雪体制の構築も必要になってきます。いちばん確実な方法は、冬季通行不能区間に並行してトンネルを造り、バイパスを整備することでしょう。
――冬季通行不能区間の総延長は短くなる一方で、区間数は増えているのはなぜでしょうか。
総延長の短縮には、バイパス整備の進展が大きく寄与しています。また、たとえば峠の前後区間で規制が敷かれていたところが見直され、峠部だけの規制に短縮されるといったこともあります。
一方、バイパスを整備すると、旧道やその周辺区間などで新たに規制が敷かれるケースが多いです。人手不足で除雪体制の構築が困難になったり、周辺に人が住まなくなったりすることも、区間数が増える要因です。
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