全線廃止から25年「都会の廃線」南海天王寺支線はいま わずかに残る痕跡をたどる(写真35枚)
かつて天王寺駅と南海本線を結ぶ、短い支線がありました。全線廃止からすでに25年以上が経過していますが、天王寺支線があったことを示す痕跡がいまもわずかに残っています。
全線廃止から四半世紀が経過
大阪市南部の交通結節点として知られる天王寺駅。JRは大阪環状線、阪和線、大和路線(関西本線)が乗り入れていて、地下鉄も大阪メトロの御堂筋線と谷町線が通っています。
また、天王寺駅の南側には近鉄南大阪線の大阪阿部野橋駅と、阪堺電気軌道上町線の天王寺駅前停留場もあります。2014年には日本一高いビル「あべのハルカス」が、大阪阿部野橋駅のビルとしてオープン。全国的にも注目を集めているエリアです。
しかし、天王寺駅に乗り入れていた鉄道路線はもうひとつありました。その名は「天王寺支線」。南海本線の天下茶屋駅(大阪市西成区)から天王寺駅までの2.4kmを結んでいた、南海電鉄の短い鉄道路線です。全線廃止から25年以上が経過した2018年11月24日(土)、天王寺駅から線路の跡地をたどってみました。
JR天王寺駅のホームは北側の1番線から南側の18番線まで並んでいますが、18番線のさらに南側には天王寺支線の19、20番線ホームがありました。しかし、ホームがあった場所は南海も出資する駅ビルが1995(平成7)年にオープン。天王寺支線の痕跡は完全に消滅しています。
天王寺支線は、ここから西へ約500mまではJR線に沿っていました。廃止後も線路がそのまま残っていましたが、数年ほど前に撤去。いまはアスファルトで舗装されていて、こちらも線路の痕跡は残っていません。
JR線から離れた天王寺支線は左にカーブしながら大通りの踏切を抜け、南西へと進んでいました。大通りの先は空き地が約70m伸びていますが、柵で覆われていて線路の跡地には入れません。
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