「万博の乗りもの」はいま 新機軸の「展示物」が残した成果、全国各地に

愛知万博の遊覧車は山口県で運行中

 このモノレールは日本のモノレールの標準型と位置付けられ、のちに開業した北九州モノレールや大阪モノレール、多摩モノレールなども、基本的な構造は万国博モノレールとほぼ同じです。いまでは中国の重慶でも運行されています。

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愛知万博の会場内を走っていた遊覧車は現在、山口県内の山間部を走っている(2014年4月、草町義和撮影)。

 1975(昭和50)年の沖縄国際海洋博覧会(沖縄海洋博)では、ゴムタイヤの小型車両がレールに誘導されて走る「新交通システム」が登場。のちに東京の「新交通ゆりかもめ」や大阪の「ニュートラム」など、副都心やニュータウンのアクセス鉄道として全国各地に導入されました。

 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場内で運行されたのは、トヨタ自動車が開発した「IMTS」。車両自体はバスですが、IMTSの専用道路では路面に埋め込んだ磁気マーカーで誘導する自動運転を行っていました。法律上は鉄道に準じた乗りものとされ、実際に愛知万博のIMTSも鉄道の法律に基づき営業運転を行っています。

 ちなみに鉄道扱いではありませんが、愛知万博ではタイヤ付き車両を連結した遊覧車も走っていました。この遊覧車は現在、錦川鉄道 錦町駅(山口県岩国市)から約6km先の雙津峡(そうづきょう)温泉まで運行中。錦町駅と山口線の日原駅(島根県津和野町)を結ぶはずだった幻の鉄道路線「岩日北線」の遺構を再整備した公園を走ります。

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コメント

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3件のコメント

  1. IMTSは実用化の話が出ないなあ。

    • 今自動運転BRTの実験があちこちで進んでます
      日本中の赤字ローカル線が自動運転BRTに置き換わるのは20年もしないでしょう

  2. 現代の「近未来の公共交通機関」は、いかにコストを抑えて人件費をかけないかということだろう。
    70年の大阪万博では考えも付かなかった発想だろう。