レーダー浴びても乱れぬ職場、どう作る? 海自厚木基地第3航空隊で聞いた機長のお仕事

防衛省が公開した韓国艦のレーダー照射に関する動画にて、搭乗員たちの音声からは、危険な状況下でも冷静に任務をこなす様子がうかがわれました。銃口を向けられても取り乱さない職場、どんなところなのでしょうか。

危険と隣り合わせの職場、最も重要なものは?

「機長として飛ぶ際は、何よりチームワークを一番重視します」と、P-1パイロットにして機長の資格を持つ小笠原 拓1等海尉は最初にそう断言しました。

「普通の民間機とは違い、P-1は各ステーション(搭乗員)がヘッドセットをつけてやり取りを行います。その情報交換をうまく進めるには、チームワークが必要です。チームワークを良くするためには風通しの良さ、つまり、みながしゃべりやすい環境を構築しておくことが欠かせません」(小笠原1尉)

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「誰でもなんでも話しやすい環境というのは非常に重要なのです」という小笠原1尉(2018年12月6日、関 賢太郎撮影)。

 P-1の副操縦士であり、機種転換前のP-3C哨戒機においては機長資格を持っていた、同じく第3航空隊の諸隈宣亮(もろくまのぶあき)1等海尉も、チームワークの大切さを強調します。

「各搭乗員にはそれぞれの仕事があり、その能力をしっかりと発揮させるコーディネート(取りまとめ)を上手くやっていくことが、機長にとって重要な役割なのかなと感じております。また、機長が独断で『こうする!』ということはせず、クルーに『あの機長は怖いからこういうのはちょっと言いづらいな』とは思われないよう、『こうしたらどうですか?』と言ってくれやすいような雰囲気作りは、とても大事にしています。もしも意思決定が間違った方向に逸れていきつつあったとしても、搭乗員の誰かがひと言、口にするだけで、それをちゃんとした方向に戻せられれば、そのぶん任務達成に近づけます」(諸隈1尉)

 諸隈1尉自身も、ちょっとしたミスに気付かないでいたところを、別の搭乗員のひと声で間違いを認識でき、助けられた経験があるそうです。もし「鬼の諸隈」などと恐れられていたならば、このとき助言を得られなかったかもしれません。

 どんな経験豊富なベテランの機長であっても人間である以上、絶対にミスしないということはありえず、「上司(機長)に意見しづらい」がゆえに重大事故へ結びついた事例は、軍民問わず決して珍しくありません。最も重要なこととしてふたりのパイロットが共通して挙げた、「お互いがなんでも言える関係」であることは、任務を確実にこなすことはもちろん、安全面においても欠かせないといえます。

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