仕事場は山の上から海中まで、戦場にも降り立つ米軍のエリート兵「PJ」って知ってる?(写真12枚)
米軍の「PJ(パラジャンパー)」とは、空挺資格と医療資格などをあわせ持ち、山だろうが海だろうが、敵の攻撃が予想される地域だろうが救難に向かうという、過酷なお仕事に就く兵士たちのことを指します。日米共同訓練における彼らの様子を追いました。
PJの過酷なお仕事とは?
2018年10月29日から11月8日にわたり、日米共同統合演習「キーンソード19」が行われました。米空母「ロナルド・レーガン」や爆撃機B-52H、また今回初めてカナダ海軍が2隻の艦艇を参加させるなど、話題にこと欠かない演習でした。
巨大演習である「キーンソード」は、いくつかの小さな機能別訓練で構成されています。
そのひとつとして、10月31日に、日米の救難部隊が競演した航空救難訓練が行われました。実施場所となったのは、三沢基地(青森県三沢市)およびその周辺の空海域です。日本からは航空自衛隊千歳救難隊(北海道千歳基地)と海上自衛隊第71航空隊(山口県岩国航空基地)、米側からは、第35戦闘航空団(司令部・三沢基地)などが参加しました。
訓練のシナリオは、「武力攻撃事態下における米軍機パイロットの捜索救助」です。F-16がエンジントラブルを起こし、パイロットが緊急脱出しました。場所は三沢沿岸部から4.5km離れた沖合です。パイロットはケガをしているものの無事であるという想定です。
漂流しているパイロットを助けるべく、米空軍第374空輸航空団(司令部・東京都横田基地)のC-130が離陸します。そして米空軍第31救難中隊(沖縄県嘉手納基地)に所属する空挺降下資格を持つ衛生兵、「PJ(パラジャンパー)」が4名、機体から飛び降ります。パラシュートで海面着水し、パイロットを助けます。本来ならば、ボートも一緒に降下させる計画でしたが、波が高かったため、事前に海面上に準備されていました。
パイロットは陸地まで運ばれると、そこへ千歳救難隊の救難ヘリUH-60Jが到着します。そしてホイスト(救助用巻上げ機)にて機内に収容され、2名のPJと共に、最寄りの三沢基地へと向かいました。残り2名のPJは、第71航空隊のUS-2が収容しました。
UH-60は、三沢基地に到着すると、担架を使いパイロットを降ろします。エプロン地区には、第35戦闘航空団の隷下部隊である第35医療群の救急車が待機していました。救急車にパイロットを乗せると、そのまま基地内の軍病院へと搬送し、そこで応急手当てを実施し、すべての訓練を終えました。
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