東急「ハイグレード通勤バス」に乗車! 所要時間は電車の倍以上、でも価値あり?
運行の背景に「郊外住宅地」が抱えている課題も
日本初というこの「郊外型MaaS」実証実験は、以下の変化に対応し、多様な移動選択肢を整備することを目指して行われます。
・「働き方改革」による効率的な仕事空間の確保といった「ワークスタイルの変化」。
・高齢化に伴う地域内施設への移動ニーズといった「ライフスタイルの変化」。
・シェアリングエコノミーの浸透といった「郊外住宅地をとりまく社会変化」。
また少子高齢化が進むいま、郊外住宅地において課題になっている、その「持続」と「再生」。この解決を目指し、東急電鉄と横浜市が推進している「次世代郊外まちづくり」の一環でもあるとのこと。
「郊外型MaaS」のひとつである「ハイグレード通勤バス」の利点は、「通勤中、快適に仕事などができる空間の確保」。東急電鉄によると、沿線から「座って通勤したい」という意見があるなか、こうしたサービス(選択肢)を提供することで、若い人が住むのに選ぶ街、沿線になれば(街の「維持」と「発展」につながれば)、という狙いがあるといいます。
なお、朝の通勤ピーク時間帯に都心へ向かう列車で着席サービスを提供するのは一般的に容易ではないほか(輸送力が減ることになる)、バスの輸送力は鉄道と比べ格段に低いため、これにより田園都市線の混雑緩和を実現するものではありません。
「ハイグレード通勤バス」は3月下旬までの実証実験期間中、平日のみ朝ラッシュ時間帯に1便の運行。田園都市線たまプラーザ~渋谷間の通勤定期券を持っている人を対象に、実験参加者が募集されました(利用料金は無料。参加者募集は終了)。来年度以降の展開は、実験終了後の状況を踏まえて決定するとのこと。
また、このたび実験される「郊外型MaaS」の「様々なモビリティサービス」は、この「ハイグレード通勤バス」と、「マンション内カーシェアリング」、地域内を巡る「オンデマンドバス」、狭い路地でも走れる「パーソナルモビリティ」です。
【了】
Writer: 恵 知仁(乗りものライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
料金にもよるがそこそこ需要はあると考えられます。
渋谷までだと1回2千円から3千円くらいとなるのでしょうかね。ハイヤーよりは安くなるでしょうし。
そうはいっても、普通のサラリーマンには全く縁がない乗り物でしょうね。
よっぽど長津田の車庫から送り込み回送してたまプラーザ始発でも通勤時に1、2本
設定してくれたほうが喜ぶ人が多い気もします。
それにしても無料の実証実験だとイマイチ参考にならない気もしますが。
東急が確認したいのは、「時間よりも移動環境を重視する層はどれだけいるか」なんでしょう。
もう運行は終了していますが、個人的にはどんな結果だったのかが非常に気になります。