減りゆく列車の車内販売 JR北海道特急と九州新幹線、相次ぎサービス終了

JR北海道の特急「スーパー北斗」とJR九州の九州新幹線で、車内販売が相次いで終了します。いずれも車内販売の利用は、減少傾向にあったそうです。

特急「スーパー北斗」で車内販売を終了

 2019年1月24日(木)、JR北海道とJR九州が一部で車内販売を終了すると相次いで発表しました。

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JR室蘭本線を走る特急「スーパー北斗」(画像:photolibrary)。

 JR北海道は、札幌と函館を結ぶ特急「スーパー北斗」で、2月28日(木)に車内販売を終了します。函館行きの6、8、10号と、札幌行きの13、15、17号で車内販売を継続していましたが、今回の取りやめにより北海道を走る在来線特急から車内販売が姿を消します。

 JR北海道によると、車内販売の収入は2001(平成13)年度の約8億円をピークに減少が続き、2017年度は2億円近くまで落ち込んでいました。損益は2013(平成25)年度にマイナス約3億円を記録するなどの赤字が続いています。2017年度では年間約1億5300万円、1列車あたり年間約1100万円の赤字です。

 これまでJR北海道は、利用の少ない列車で販売を取りやめるなど収支改善を図ってきましたが、コンビニエンスストアやペットボトル飲料の普及などに押され利用の減少傾向は変わらず、さらに車内販売を担当する客室乗務員の人材確保が困難なことも相まって、サービスを終了するということです。

九州新幹線はグリーン車サービスも終了

 JR九州は、九州新幹線(博多~鹿児島中央)の車内販売を、ダイヤ改正前日の3月15日(金)に終了します。現在は「みずほ」「さくら」の一部列車で車内販売を行っていますが、その売上は全線開業(2011年)以降のピーク時と比較すると、2017年度では3割強の減となっており、また、新幹線の駅構内には飲食物を販売する店舗があることなどから、今回の終了を決めたといいます。

 新幹線のグリーン車サービス(あめとおしぼりの提供)も同日に終了する予定です。ブランケットは車内に常備されます。

 なお、九州を走る在来線の特急「ゆふいんの森」「かわせみ やませみ」などといった「D&S列車」(観光列車)は、客室乗務員による車内販売が継続されます。

【了】

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コメント

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7件のコメント

  1. 最も大事なのは 路線 を残すこと。
    車内販売は 収益が出るなら続けるべきだが 赤字状態であれば終了もやむを得ないと思う。

    けれど、「通常の移動目的」の列車で車内販売が終わると、観光列車での車内販売に一種の観光要素的な付加価値が高まる。後ろ向きな考え方にならず、現代のビジネスモデルである観光列車での車内販売は順調にいってほしい・・・

    • 路線を残すことではなく
      「会社」を残すことです

      身体が壊死してきたら切断しなければ死んでしまいます
      惜しいので捨てるに捨てれない…というのはゴミ屋敷と同じ
      本来の役目を終えているのならバッサリ捨てるのが正しい

    • 路線バスでも路線維持のために、一時期車内販売してたところもありましたね。
      JR北海道の場合、アイデアも全く考えないまま収益が出ないと指をくわえている印象があります。
      例えば自動販売機にしてみるとか車掌が販売もするとか、面倒くさがらず他にはないことを始めてみるといいのではないでしょうか。
      このままだとJR北海道が北海道中央バスの子会社になるかもしれませんね。または外資系(アリーヴァ)とか。

    • 自販機は東海道山陽新幹線でも撤去してます。理由はその分通電しないといけないとか、乗客が席を離れて買いに行く分非効率とか、設定値段が路上(最安値100円程度)は元より、駅(130円)より高くなる(160円)とか。
      ちなみにJR特急や新幹線に乗車する車掌の給料は安くないです。車掌として最上級クラスの方が乗務されてますので(だからJR九州は観光特急を「ワンマン」にして客室乗務員を乗務させてます)。

  2. 沿線の自治体に持ちかけてみるのはダメなのか?JR北海道には以前、そういう話があったじゃないか。
    沿線自治体にとっては特産品の宣伝にもなる。

    この場合、JRは言わばテメエのケツを拭ってもらうわけだから、“地代”をとるようなチンケなマネはしないことだ。

  3. まぁ『どんな状況であっても鉄道車両内での飲食はマナー違反』という風潮を繊細チン○ラ共とかが煽りだしてる昨今なので、
    ある意味時流を読んだなと。

  4. エキナカや駅前にコンビニ・スーパー・ドラッグストアなどの店ができた時点でキヨスクなどの小型売店、車内販売の需要は下がる方向に来たのだと思う。明らかに時代の流れ。車内販売がないよりも、エキナカや駅前に店舗がない方が困る時代。